イサック

イサックのレビュー・評価・感想

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イサック
10

火縄銃で絶体絶命の窮地を切り抜ける!

三十年戦争がモデル、プロテスタント側の城塞都市フックスブルクで傭兵となったイサックが、カトリック信仰派のスペイン軍に侵攻されて絶対絶命の窮地に陥るフックスブルクの軍勢が守る城壁から狙いすましてズドンと一発飛ばした火縄銃の弾丸!たった1発の玉が敵の軍勢を指揮する将軍を打ち抜き退却に至らせる描写は圧巻の一言遠く欧州の地で火縄銃スナイピングが光る物語である。もちろん刀1本で窮地を切り抜ける場面はあるがこれまで火縄銃そのものに焦点をあてて描かれる作品は観たこと無い。イサックが出会う城主や町娘の成長イサックの仇敵のキャラクターもすごく癖の強いキャラクターでイケメンロン毛グリグリの狂気も面白い。イサックが所持する火縄銃とイケメンロン毛グリグリに奪われた火縄銃の2丁の火縄銃が合わさるととんでもないことが起きるといわれる中で、物語はどんどん混沌へと誘われていく!甲冑に身を包む欧州の軍隊の中に日本の甲冑が一人といった風貌が、なんだなんだ?日本刀で一人で切り抜いて日本の武者は強いぞみてみなー!?なんてのを期待させておいてなんと火縄銃をぬらりと出してズドンで大勢の軍団がそのまま退却するといった爽快な感じは日本人であることを誇らしく思える感覚を思わせる。ほかの漫画で古代中国の戦国時代を舞台にした漫画を面白く読めたことがあるマンガ好きの読者には一度読んでみることをお勧めしたい作品である。余談だが日本製の銃の精度は高く欧州の方でも日本製をわざわざ求めるほどである。