おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!

おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!のレビュー・評価・感想

おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!
10

多様性の可視化

「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」は頭の固い中年男性の主人公(固定概念強め)が偶然知り合うゲイの男性との出会いから始まる物語です。
その男性と共に世の中の多様性を学び、受け入れていきながら、おじさん自身の成長とおじさんを中心とした家族や自身の周りの人々との付き合い方、偏見、昔の風習を変えていく必要があることに気づいていきます。
作中ではLGBTQ、ジェンダーレス、男性だからというような固まった考えに対して訴えかけてくるシーンもあり、漫画での話なのに自分自身に刺さってくるようなフレーズがたくさんあり、そこから学ぶことや共感できる部分、逆に主人公に対して「それはないだろ」などブーメランで深く考えさせられる話もあります。
イメージですが「正しい」「間違い」それだけではなく、3つ目以降の選択肢が生まれてくるのがこれからの世の中だよね。と思わせてくれます。
作画が非常に綺麗なのでとても読みやすいです。
正直、表紙のBL感は強めに感じるため、男性や上の世代の方々は手を出しにくいと思うかもしれませんが、性別や世代関係なく読んでほしい作品です。特に、主人公と同じような世代の人たちにはある意味これからの世の中の教科書になるのではないかと思います。