ナースエンジェルりりかSOS

ナースエンジェルりりかSOS

『ナースエンジェルりりかSOS』とは、少女漫画雑誌『りぼん』1995年1月号から1996年6月号まで連載された秋元康原作、池野恋作画の漫画、およびそれを原作として1995年7月7日から1996年3月29日までテレビ東京系列で放送されたテレビアニメである。原案の秋元康が概念を発案し、詳細な作品設定は作画を担当した池野恋が考案した。
前番組『赤ずきんチャチャ』のスタッフを引き継いで制作された本作は、変身ヒロイン路線でありながらシリアスなストーリーが特徴であり、大地丙太郎のTVシリーズ初監督作品となった。
物語は、私立白鳩学園に通う小学4年生の森谷りりか(もりや りりか)が、10歳の誕生日に転校生の戦士カノンから使命を託され、地球侵略を企むダークジョーカーと戦う姿を描く。カノンの死や幼馴染の宇崎星夜(うざき せいや)のサポート、ダークジョーカーとの激しい戦いを経て、りりかは自身の命と引き換えに世界を救う過酷な運命に直面する。アニメ版と同時期には銀座博品館劇場でミュージカル版も上演され、アニメとは異なる独自の結末が描かれた。また、漫画版においてもストーリーや設定に多くの相違点が存在している。

ナースエンジェルりりかSOSのレビュー・評価・感想

ナースエンジェルりりかSOS
8

りりかセンセーション

「ナースエンジェルりりかSOS」第1話が記憶に新しい人も多いだろう。オタクでない人にこの素晴らしさを伝えるのは実は難しいのだが、最も言葉を尽くして、「さまざまな波乱を予感させる第1話だった」と形容するしかないだろう。「りりか」は大地丙太郎監督の出世作であり、これ以後、アニメ界に大地ありと、スタッフとファンを納得させた作品なのである。
「りりか」を観ていてまず気づくのは、主人公りりかが、戦闘の時決して笑わないことである。第2期のエンディングは「笑顔を忘れない」という題名だが、実はナースエンジェルは戦う時に笑わない。戦闘シーンが極めてシリアスなのである。同時期に放映されていた「セーラームーン」では戦闘シーンがおちゃらけているのと好対照である。これはおそらく、演出が男性ファンを意識したせいだと思う。ほのぼのした女児向けの戦闘よりも、男性ファンを魅了するハードな戦闘を選択したのだろう。
クイーンアースから地球に潜入し、ナースエンジェルであるりりかを見出したカノンは、次の言葉を繰り返す。「悪を憎む勇気。人を愛する心」後者はいいとして、前者の勇気をわたしたちはともすれば忘れてしまいがちになる。日本人は政府のどのような不正にも黙って耐え、声を荒げることもない。だがこれは美徳ではなく、勇気を失っているだけではないだろうか。
カノンの言葉をわたしたち日本人はもう一度よく咀嚼する必要があるだろう。