BEYOND THE MAT / ビヨンド・ザ・マット

BEYOND THE MAT / ビヨンド・ザ・マット

『ビヨンド・ザ・マット』(原題:Beyond the Mat)とは、1999年にアメリカで製作されたドキュメンタリー映画である。バリー・W・ブラウスタインが監督、脚本、プロデュース、ナレーションを手がけた。プロレスラーたちのリング外での光と影に焦点を当てた本作は、ミック・フォーリー、テリー・ファンク、ジェイク・ロバーツといった著名なレスラーや新人のほか、WWF(現WWE)やECWといった団体に取材を行い、1999年10月にアメリカで限定公開された。日本では2001年8月にシネマライズで単館公開された。
物語は、プロレスへの愛を語るブラウスタイン監督が3年がかりのアメリカ横断旅行に乗り出し、プロレスラーという生き方を選んだ人々のメンタリティを紐解いていくところから展開される。主役となる3人のスター選手のうち、過酷なハードコアマッチに挑み続ける53歳で満身創痍のテリー・ファンク、頭部に受け続けた激しいダメージや家族への思いと向き合う絶頂期のミック・フォーリー、そして薬物依存や過去の栄光の陰でキャリアのどん底にもがくジェイク・ロバーツの生き様が生々しく描き出される。さらに、華々しい経歴を持つ彼らと対比させるように、WWFのトライアウトに挑むトニー・ジョーンズやマイケル・モデスト、奇妙な特技を買われて契約を結ぶも後に試合中の事故で下半身不随となったダレン・ドロズドフといった若手選手たちの現実が浮き彫りにされる。隠れプロレスファンであることを暴露された監督が3年から5年の歳月をかけて撮影に挑んだ背景には、WWF会長ビンス・マクマホンをはじめとする団体や関係者との複雑な協力関係や衝突もあり、プロレス界の光と闇を赤裸々に捉えたドキュメンタリーとして映画史に名を残している。

BEYOND THE MAT / ビヨンド・ザ・マットのレビュー・評価・感想

BEYOND THE MAT / ビヨンド・ザ・マット
10

プロレスに対する見方が変わる

アメリカのプロレス団体と、その関係者たちの人生をせきららにありのままにうつした伝説的なドキュメンタリー映画です。
本作の大ヒットが影響で、日本のプロレス世界も変貌したことは有名でありますが本作の内容は極めてセンシティブな物になっております。
まず、自分の中でのプロレスラーの印象が大きく変わりました。
彼らは自分たちは格闘技ではないということを理解しており、ファンも理解しているというものでした。
当時、プロレスに詳しくなかった自分としては目からうろこが落ちるような世界でした。
ファンも製作者もプロレスはショーであり、自分たちは格闘家ではないことをわかっていながらもそれでも観客を喜ばせるために画鋲まみれになったり、4mの高さから落ちたり、家族のまえで激しい暴行を受けるという恥辱を浴びたりしなければなりません。
しかし、それでも彼らは家族のため名誉のために立ち上がり技を受け病院に入院するということになっても決してプロレスをやめようとしないのでした。
なぜ、そこまでボロボロになっても彼らは体をつぶすようなことをするのか、僕はそこにある種宗教的な物を感じて匿名掲示板で書かれていたプロレスは宗教であるという言葉が真実であったことを確認しました。
また劇中にはかつて大物だったけど、それがゆえに私生活がボロボロになったというレスラーがでてくるのですがこれが涙を禁じ得ない悲しい人生を歩んでいるのが特徴的でした。
僕は彼らのためにも茶番や八百長を揶揄する言葉で「プロレス」を使えなくなりました。
たとえガチではなくてもそこにはドラマがある。
そのドラマこそプロレスなのだと、思います。