映画大好きポンポさん

映画大好きポンポさん

『映画大好きポンポさん』とは、【人間プラモ】の名義で活動する杉谷庄吾による漫画作品である。2017年4月にイラスト投稿サイトのpixivへ投稿されたことをきっかけに注目を集め、「マンガ大賞2018」で10位にランクインするなどの人気を博した。映画の都ニャリウッドを舞台に、手腕を発揮する天才映画プロデューサーのポンポさんを中心に、新人映画監督として抜擢されたジーンや、女優を目指すナタリーらの成長を描く物語である。第1作のヒット以降も「NYALLYWOOD STUDIOS SERIES」として続編やスピンオフ作品が展開されている。
本作はもともと2015年に5分の深夜アニメ企画として制作される予定が頓挫したものを発端としている。ポンポというキャラクターの魅力を活かすため漫画化され、pixivでの大反響を経て商業出版化された。その後、2021年6月には劇場アニメーション映画が公開され、その高いクオリティと映画製作に対する情熱を描いた作風が話題となり、2022年の第49回アニー賞長編インディペンデント作品賞にノミネートされるなど国内外で高く評価された。

映画大好きポンポさんのレビュー・評価・感想

映画大好きポンポさん
10

映画大好きポンポさんは全創作家に見て欲しい

映画大好きポンポさんは、2017年に単行本が発売された漫画作品です。作品内での映画界の巨匠、ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット(通称ポンポさん)が「映画を撮る」ことを軸にドタバタドラマを繰り広げます。基本的にはジーン・フィニと共に楽しく映画を作るという内容ですが、ジーンが悩み役、ポンポが解決役というスタンスは作品を通して一貫しており、二人の関係性がとても可愛らしいです。また、エンターテイメントを創作するという本作の主題においては、映画を彩るいろいろな職業の目線(監督、女優、脚本家など)を取り入れていて多面的で興味深く、様々な立場の人々がそれぞれの価値観を持っていることがわかるシーンはどれも素晴らしいです。どのキャラクターも自分の職業・立場に誇りを持っていて、そのセリフ一つ一つが胸に刺さります。絵柄も全体的に可愛らしく、男女関係なく読める作品になっていると思います。そして、何といっても登場人物たちが映画にかける情熱がすさまじいです。それが一番よく表れているのは、ジーンの「映画を撮るか……死ぬか……どっちかしかないんだ……」と呟くシーンに凝縮されていると感じます。そんな映画愛にあふれた人々のドタバタ劇は一見の価値ありです。