a-ha / アーハ / アハー

a-ha / アーハ / アハーのレビュー・評価・感想

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9

不遇にも一発屋と勘違いされたロックバンド

ノルウェー出身のa-haと言えば代表作「take on me」。耳に残るキャッチ―なメロディーとボーカルである
モートン・ハルケットの爽やかで男性とは思えないファルセットボイスが魅力な楽曲です。

しかし、その作品こそがリスナーがアイドルポップスユニットの「レッテル」を貼り付けてしまったのです。
1985年に「take on me」で華々しくデビューを飾ったa-haはその容姿や楽曲のポップスさから
リスナーが求めてしまったのは、所謂「アイドル」的な立場の目線で捉えてしまったのです。

世間の目とプロデューサーの方向とa-haの方向性は食い違いを起こし
2ndAlbum「Scoundrel days」では、一曲目から「take on me」とは
遥かに違う疾走感を持つ暗い印象を持つ楽曲からスタートします。

世間が求めていた真逆の方へと走り始めたと勘違いしたリスナーはあっという間に離れていきました。
しかし、それはアジア、アメリカ圏で起こった現象であり、イギリスや他国では変わらずの人気を保ち
人気映画「007」の主題歌を務めたり、ブラジルのフェスでは20万近くの動員数を得ています。

静かに「take on me」のアイドル要素を削ぎ落しながらも独自の透き通った清涼飲料水を飲むかのような
楽曲達は次第にロック色を強め、5th Album「memorial beach」では同じバンドとは思えない程
ジャケットと比例した暗めで落ち着いた雰囲気の楽曲が並んだが、それと同時にa-haは「ロックバンド」である事が
はっきりと証明された一枚にも仕上がった。

一時、メンバー達はソロ活動に専念をし再結成。
2000年に発売された「Minor Earth Major Sky」では、既に其処にアイドルの「a-ha」は存在しておらず
バンドとしての「a-ha」が完全に確立されていた。その証拠としてドイツ等ではプラチナアルバムを獲得。

1985年、突如として現れたアイドル達は我々リスナーが勘違いしていた本来は上質な「ロック」だったのだ。
世間の目を気にせず、自身達の音楽を貫き、自身達の独自性の音楽を確立した稀有なバンド。
それが「a-ha」である。