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多部未華子の歌声、そして命と引き換えに
『あやしい彼女』を観る前は、「あやしい」という言葉からどんな映画なのかを想像しにくかったです。
ですが、一度映画を見始めたら、人間であるがゆえに笑いあり・涙ありであふれていました。特に、おばあちゃんの姿が変わった後(多部未華子)、幼馴染のおじいちゃんを多部未華子が監禁して「自分の姿を見抜いたのか?」などと問い詰めて、口封じに走るシーンは何度見ても笑ってしまうこと間違いなし!
後半で、多部未華子扮する主人公がとあるディレクターに美声を買われ、ギターが得意な孫とデビューするものの、ライブ当日にその孫が事故に遭って輸血が必要となるシーンについて。あのシーンでは、映画の中の「世界の姿が変わった状態(若返った状態)で血を抜いたり、怪我をして流血してしまうと元の姿に戻ってしまう」を理解していると、かなり心が締め付けられる内容です。
主人公の多部未華子(若返った状態のおばあちゃん)の若さと引き換えに、そのおばあちゃんの孫の命を救うしかありません(その場にいた人の中で、孫と血液型が一致するのは多部未華子扮するおばあちゃんのみなので)。
おばあちゃんはとても葛藤しつつ、孫の命に代えられるものなどはないと自身の若さと引き換えに、輸血を手伝い、孫の命が助かります。
元のおばあちゃんの姿に戻った多部未華子は、若い姿になる前のおばあちゃんに戻ってしまいますが、「そんな自分でもいいか」と心を入れ替え、それぞれの生活に平穏が戻りました。
映画の内容のみならず、多部未華子の歌声や、挿入されている歌がとにかく心に響いてきます。
タイトルに偏見を持っていましたが、勇気を出して観て大正解な映画だったと思います!