穢翼のユースティア

穢翼のユースティア

『穢翼のユースティア』(あいよくのユースティア)とは、オーガストより2011年4月28日に発売されたPC用アダルトゲームである。2014年6月26日にはdramatic createよりPlayStation Vita移植版の『穢翼のユースティア Angel's blessing』が発売され、2022年6月23日にはエンターグラムよりPlayStation 4およびNintendo Switch移植版が発売された。なお、PS4およびSwitch版の販売権は2025年10月1日をもってiMel株式会社へと移管されている。
本作は2009年末の「コミックマーケット77」で配布された公式ハンドブックにてタイトル伏字のまま制作が発表され、2010年2月19日に正式タイトルが公表された。当初は2011年3月25日の発売が予定されマスターアップも完了していたが、同年3月11日に発生した東日本大震災の影響を受けて延期となり、約1ヶ月遅れてのリリースとなった。従来のオーガスト作品が『FORTUNE ARTERIAL』や『夜明け前より瑠璃色な』に代表される明るい学園もの中心であったのに対し、本作は退廃的な世界観を舞台に残酷な表現や娼婦・媚薬といった要素を盛り込んだシリアスかつハードな作風が特徴である。
シナリオは単一の連続したストーリーで構成され、各エピソードで個別のエンディングを選ばなければ次へ進めない形式をとっており、グランドフィナーレとしてのTRUEエンドが存在しないなど、従来の同社作品とは一線を画する構成となっている。また、基本解像度に16:9が採用された点も特徴の一つである。
物語の舞台となる浮遊都市《ノーヴァス・アイテル》は、かつて神に見捨てられ混沌に呑み込まれた世界において、初代聖女イレーヌの祈りにより空へ引き上げられた都市であり、数百年にわたり代々の聖女の力によって維持されてきた。都市は貴族が暮らす「上層」と民衆が暮らす「下層」に分かれていたが、十数年前に発生した《終わりの夕焼け(トラジェディア)》と呼ばれる現象に起因する大規模な地盤沈下《大崩落(グラン・フォルテ)》により、下層の一部が崩落して断崖絶壁で孤立した「牢獄」と呼ばれる区域が形成された。国から見捨てられ無秩序化した牢獄では、ボルツ・グラードが設立した組織《不蝕金鎖》(ふしょくきんさ)が下層との物流独占や規律の維持を通じて事実上の統治機関として機能するようになった。かつて《不蝕金鎖》の暗殺者として働き、現在は娼館街の何でも屋を営む主人公カイムは、組織の現頭領ジークフリードから上層からの馬車を流迎する依頼を受ける。しかし、現場でカイムが目にしたのは護送されていた女性たちの凄惨な遺体であり、その中で唯一の生存者であったのが、背中に羽が生える奇病「羽化病」に罹患した少女ユースティアだった。

穢翼のユースティアのレビュー・評価・感想

穢翼のユースティア
10

穢翼のユースティア

オーガストという会社のアダルトゲーム。
舞台は、空中に浮く島である。元々下層、上層のみで構成されていたが、下層の崩落によって下層、上層、牢獄が生まれた。主人公(カイム)は下層にいたが、崩落により牢獄に落ちたため、生きるために殺しも含め汚れ仕事(娼館の護衛等)を主に行う何でも屋となった。崩落が起きた本当の理由を知るため、主人公が奔走する話。
登場人物は以下の通り。
<メインキャラクター>
ユースティア:牢獄で主人公に拾われる。以後活動を共にする、羽を持つメインヒロイン。
フィオネ:羽狩りと呼ばれる、突如羽が生える病気にかかった者を捉える部隊の隊長を務める。
エリス:主人公が娼館で唯一身請けした人物。基本的には主人公以外興味がなく、医療の心得がある。
イレーヌ:盲目の聖女(儀式により一人だけ選ばれる職)。極めて高い人望を持つが、地震等の悪いことが起こると祈りが足りないと批判が来る職(最悪処刑される)。
リシア:王女だがまだ若いため、病床の国王に代わり国を治めるが、筆頭貴族の傀儡の立場にいる。
<サブキャラクター>
ジーク:牢獄の権力者。主人公とは仕事を依頼したり酒盛りしたり、兄弟みたいなものである。
メルト:カイム、ジーク行きつけの酒場の店主。元人気娼婦。引退後も人気である。
ルキウス:上層に住まう有力貴族。しばしば牢獄を訪れ、主人公を気に掛ける。

【感想】
ダークファンタジーである。各ヒロインごとのストーリーがあり、どのルートも心が重くなるほど引き込まれる素晴らしい作品。主人公が限られたパイの中で、もがき苦しみながら、希望に向かってヒロインたちと歩んでいく様は尊敬に値するものがある。特におすすめなのがリシアのルートだ。成長という面では、作中で彼女がもっとも大きな変化を見せる。
曲がまた作品に合っており、欲しいところで欲しいBGMとなっている。