アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を

『アルジャーノンに花束を』(原題:Flowers for Algernon)とは、アメリカの作家ダニエル・キイスによるSF小説。1959年に中編小説として発表され、ヒューゴー賞短編小説部門を受賞。その後、1966年に長編小説として改作・刊行され、ネビュラ賞長編小説部門を受賞した。従来の宇宙や未来世界を舞台とした作品とは異なり、「人工的な知能の向上」という限定された設定のもとで人間の心理や人間関係を緻密に描き出し、SFの多様性を示す金字塔として世界中で高く評価されている。
物語は、知的障害を持つ青年チャーリイ・ゴードンが脳手術を受け、知能が飛躍的に上昇していく過程と、その後に訪れる悲劇的な運命を描く。実験段階の手術を受けたチャーリイは、超人的な天才(IQ185)へと成長し知識を得る喜びを知るが、同時に周囲の人間からの悪意や過去の悲しい記憶を理解し、深い孤独と葛藤を抱えることとなる。同じ手術を受けたハツカネズミ「アルジャーノン」の知能低下と死をきっかけに自身の運命を悟ったチャーリイは、退行する知能に抗いながらも元の状態へと戻り、自ら障害者施設へと向かう。
本作は、チャーリイ自身が綴る「経過報告」の日誌形式で展開される。序盤はひらがなや誤字脱字、破綻した文法で占められているが、知能の上昇に従って高度で複雑な文章へと変化し、知能の退行とともに再び幼い文章へと戻っていくという、文体そのものが主人公の精神状態を表現する画期的な技法が用いられている。
出版に際しては、編集者から「暗い結末をハッピーエンドに変えてほしい」と要求されるなどの困難を乗り越えて刊行された。日本ではS-Fマガジン等のオールタイム・ベスト企画において海外短編部門の上位常連である。また、1968年の映画『まごころを君に』(主演:クリフ・ロバートソンがアカデミー主演男優賞を受賞)をはじめ、海外でのテレビ映画化や、日本における2度の連続テレビドラマ化(2002年:ユースケ・サンタマリア主演、2015年:山下智久主演)など、国や時代を超えて幾度も映像化されている。なお、2015年版のテレビドラマは2015年度「第19回日刊スポーツ・ドラマグランプリ(GP)」の春ドラマ選考にて、作品賞のほか、主演男優賞(山下智久)、助演男優賞(窪田正孝)、助演女優賞(栗山千明)の4冠を達成するなど高い評価を獲得した。

アルジャーノンに花束をのレビュー・評価・感想

アルジャーノンに花束を
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原作を読む前に映画を見てください!

原作がある作品は、まず先に本を読むか映画を見るかで悩みますが、この作品は、まずは映画で感動してください。それから原作を読んでみてください。様々な感想が出てくる内容ですが、共通している点が多くあります。それは、「この物語の主人公・チャーリーは、自分のことではないか」と気付かされるというものです。物語の主人公に自分を重ねることは往々にしてあることですが、そうではなく「チャーリーの目を通して、彼に関わる多くの人々に自分自身を見る」という意味です。
では、「アルジャーノン」とは何者なのか?これはネタバレではありませんが、敢えて言いますと、ある実験用に飼われているマウスの名前なのです。チャーリーとどう関わるかは見てくだされば分かりますが、物語は単なる“小動物と主人公の愛情物語”ではありません。
人間の嫌な部分や美しい部分、悲しい部分や喜びを感じる部分などの、生きる上で普通に通り過ぎる無意識な出来事は、ひとつひとつ意識して考えてみると実に意味深く重要なことで、そこに“生きることについての周囲への優しさ”を感じることが出来るかどうかということを考えさせられます。
コロナ禍でイライラしている多くの人々が、一度立ち止まってみて他人を思いやる気持ちを思い出すことが出来れば、この難局をきっと乗り越えられると思います。