アルジャーノンに花束を

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アルジャーノンに花束を
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原作を読む前に映画を見てください!

原作がある作品は、まず先に本を読むか映画を見るかで悩みますが、この作品は、まずは映画で感動してください。それから原作を読んでみてください。様々な感想が出てくる内容ですが、共通している点が多くあります。それは、「この物語の主人公・チャーリーは、自分のことではないか」と気付かされるというものです。物語の主人公に自分を重ねることは往々にしてあることですが、そうではなく「チャーリーの目を通して、彼に関わる多くの人々に自分自身を見る」という意味です。
では、「アルジャーノン」とは何者なのか?これはネタバレではありませんが、敢えて言いますと、ある実験用に飼われているマウスの名前なのです。チャーリーとどう関わるかは見てくだされば分かりますが、物語は単なる“小動物と主人公の愛情物語”ではありません。
人間の嫌な部分や美しい部分、悲しい部分や喜びを感じる部分などの、生きる上で普通に通り過ぎる無意識な出来事は、ひとつひとつ意識して考えてみると実に意味深く重要なことで、そこに“生きることについての周囲への優しさ”を感じることが出来るかどうかということを考えさせられます。
コロナ禍でイライラしている多くの人々が、一度立ち止まってみて他人を思いやる気持ちを思い出すことが出来れば、この難局をきっと乗り越えられると思います。