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6本指の男と彼に関わった女たちの物語
桜木紫乃の小説を、もんでんあきこがコミカライズ化。6本指の男「影山博人」。冷たく哀しく、女をひきつけて止まないその男。彼がどういう人生を歩み、一体何をしたかったのか。彼が過去に関わった女性たちの8つの物語により、その男の人生に繋がっていく。北海道、釧路を舞台にオムニバス形式で綴られている。昭和中期の戦後貧しい人々の時代から、平成初期の成長盛りの時代までを描いており、どのエピソードもそんな時代や親や家族とのしがらみなどに翻弄されてしまう女性たちが、影山に関わることで自分を取り戻し、再生していく物語だ。2巻で完結する短いコミックだが、読み応えがあり、悲しい中にも希望が見えてくる作品。