柔らかな温かみのあるリアルな歌詞
Saucy Dog。個性的なバンド名に疑問を持つ方もいるだろう。わたしも、はじめてバンド名を見たときはそうだった。スヌーピーのように小生意気ながらもたくさんの人に愛されるバンドにという願いが込められているが、バンド名に多少の疑問を抱く方も少なくないだろう。Saucy Dogの最大の魅力は、歌詞だ。Vo.石原が書くリアルな歌詞が若い世代の心に響いている。例えば、「腕の中でわたしを泣かさないで 気づかないふりをしてそのまま つけるタバコが大嫌い」という歌詞だ。この歌詞には相手のことを好きな気持ちと相手の前では笑顔でいたいという願望、他に相手がいることに気づいてしまった自分への葛藤と悲しみが表現されている。
リアルな歌詞でありながら、温かみの残る印象になっているのは、穏やかな曲調と歌声であるからだろう。他の楽曲にもリアルな歌詞はあるものの、穏やかさを兼ね備えていて、聴きやすい印象を抱く。アップテンポな楽曲であっても聴きやすい印象になっているのは、温かさが残る声と歌詞によるものであるといえるだろう。
バンドスタイルならではの音の重なりも楽曲のよさを引き立てており、Saucy Dogの武器であるといえる。
心に響く歌詞と楽曲を届けるSaucy Dogから目が離せない。