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山での楽しい過ごし方がわかる漫画
主人公の日々野鮎美はアラサーの会社員。趣味は、ソロ登山。最近は、『ゆるキャン』という漫画の影響もあり、「ソロキャンプ」が流行っている。けれども、これを読めば、登山も捨てがたいと思うのではないだろうか。なんといっても、主人公の「山」と「山ごはんへの愛」が事細かに描かれている。主人公は食べっぷりがよく、ただの「おにぎり」でさえも、つやつやに光って美味しそうに見える。加えて、料理をつくる過程でも、主人公が実況する場面があり、実際に声が聞こえてくるようで楽しい。グルメ漫画はジャンプなどの少年系漫画と比べると、少々物足りなく感じることがある。だが、『山と食欲と私』では、この物足りなさを主人公の「食へのこだわり」が解消してくれる。また、ただ楽しいだけではない。例えば、メスティンという道具が出てくる回では、実際に炊き方を説明している場面がある。食のことだけではなく、山の斜面部分での歩き方なども登場している。表紙カバーを外すと、主人公達の山グッズが描かれている。詳しくは、登山雑誌や登山用品店の販売員に聞く必要があるが、登山に興味がある人にとっては登山をする際、イメージの助けになるのではないだろうか。