神の舌を持つ男

神の舌を持つ男のレビュー・評価・感想

New Review
神の舌を持つ男
8

神の舌で山の温泉を救う!

舐めれば瞬時に成分を見分けることができるという、特殊能力をもった蘭丸が、山深い温泉の殺人事件に挑む映画です。カルシウムくらいなら分かりますが、聞いたこともない成分の名前が提示されるので、つい調べてみたくなります。向井理さんと木村文乃さんと佐藤二郎さんの三人組の面白おかしいトークに、とにかく笑えます。今回は、この山里の伝説やかごめの歌も織り交ぜて、殺人事件の謎に迫ることになり、蘭丸の舌によって言い伝えの呪縛から解き放たれていくところも見どころです。限界集落の中での恋模様や、中国人女性のビジネスなど、濃いキャラクターも面白いです。温泉の資源や美味しい水があって、観光に力をいれたいのに、呪われた伝説のせいで活性化しないというリアルさや、水を大量に摂取してしまったために地盤沈下が起きてしまうというストーリーは、「これからの日本の農村や地方を、どのような未来構想で進めるか」というテーマにもつながっています。「山河が育む日本の水に感謝したいな」とも思いました。女医さんが、実は蘭丸の異母姉だったというオチは、今後、続編などにも関わってくるのかなと期待しました。市原隼人さんのカウボーイ風な帽子と、腕の筋肉の凄さは必見です。