原作ファンだからこそ許容できなかった作品、装甲娘戦機
この装甲娘戦機というアニメ、あのレベルファイブの大人気メディアミックス作品である「ダンボール戦機」を原作としたプロジェクトの「装甲娘」のアニメなのだが、原作ファンにはあまりお勧めできずむしろダンボール戦機を一切知らない方が楽しめるんじゃないか、という程の不評を受けています。
まず、装甲娘というのはダンボール戦機に登場するホビー用小型ロボット、「LBX」をモチーフとした装甲を纏う少女……いわゆるロボ少女系統の作品なのだが、この作品の主人公であるリコが装着する機体は「アサシン」というLBX。
このアサシンというLBXはダンボール戦機作中において総理暗殺を企む組織の殺し屋が使っていたもので、劇中での登場回数も数話しかないです。
何故この機体を主人公に選んだのか、という疑問はさておき。
第一話で主人公のリコがLBXの福袋を購入し、そこからアサシンを手に取った瞬間、物語の舞台である異世界に飛ばされるという展開なのだが、このシーンのLBXの描写に対してかなりの不評が寄せられています。
まず、アサシンというLBXは暗殺用に組織が制作したもので、その組織が解体された後一部の機体は一般販売されているがアサシンは販売されたという描写が少なくとも原作にはありません。
そして、原作ではLBXはプラモキットのように組み立ててロボットの素体であるコアスケルトンに装着する、というものだったが、すでにコアスケルトンに装着された状態で箱に入っていました。
この時点で原作ファンの頭は混乱しています。
その後の展開も原作にて重要な役割を果たすアキハバラの天才ハッカー、オタクロスがゲスト出演する回があるのだが、口調や等身が原作と異なっていたり「天才LBXビルダー」という原作では一度も登場しなかった肩書を名乗りだしたり、挙句の果てにはただのエロジジイのような言動を繰り返すなど、ダンボール戦機本編におけるオタクロスとキャラクターが乖離しており、本来であれば原作ファンへのサービス要素であるはずのオタクロスのゲスト出演が逆に不評を買ってしまうという結果になってしまったようです。
その他細かい点を上げればキリがないほどの不評を受けており、例を挙げれば、冒頭のLBXのサイズが大きすぎる、原作では一切そういった可変ギミックどころかタイヤ装備すらないマスカレードJの装甲娘が車に変形するなど、原作ファンだからこそ許せなかった設定や描写が多いようです。
ただし、ダンボール戦機の原作と完全に切り離して考えれば展開はなかなか面白いものもあり、「異世界修学旅行」というテーマの通り、少女たちが見知らぬ異世界で戦いながら様々な観光地を巡るという展開も美少女アニメとして見れば面白いものもあります。
全体的に原作ファンからの評価は低いが、むしろ原作を知らない人の方が純粋に楽しめる作品、という総評。