あなたは「幽霊」を信じますか。
2000年にアメリカで公開されたサスペンス・スリラーです。ノーマン=スペンサー(演:ハリソン=フォード)とその妻であるクレア=スペンサー(演:ミシェル=ファイファー)は、一人娘のケイトリン(演:キャサリーン=トーネ)が大学進学時に入寮したことがきっかけで、湖畔の傍に建つ大きな家で夫婦水入らずの生活を始めます。クレアはしばらくの間は、娘のいない寂しさも相まって、塞ぎ込んでいた時期もあったのですが、夫であるノーマンと若い頃の様な甘い恋人同士とも思える生活をしていくうちに、徐々に明るい性格を取り戻します。ところが、彼女のこの明るい性格が難を招いてしまうのです…。ある夜、隣人夫婦の揉める様な奇妙な声を聴いたクレアは居ても立っても居られず、ノーマンの制止も聞かず隣人夫婦に何があったのか、解決すべく隣家に立ち寄ります。しかし、隣人はなかなか真実を話してくれません。業を煮やすクレアに「他人の問題に首を突っ込むな」と警告をするノーマン。しかし、どうしてもクレアは「隣人夫婦は何か人に言えない悩みがあるに違いない」と確信し、あろうことか双眼鏡を片手に隣家を監視し始めます。監視から数日が経過した夜、クレアは隣人宅からの物音に目を覚まし、いつもの様に注意深く監視し始めます。そして、彼女は隣人夫婦の夫が何か大きな物を車のトランクに乗せて運び去ろうとする瞬間を目撃するのです。慌ててノーマンを起こし、あらましを説明するも、ノーマンが目を凝らした先には何も見当たりません。ノーマンは「きっとクレアが寝ぼけて見た幻覚に違いない。これに懲りて馬鹿な真似は止めなさい」と再度注意し、クレアは納得しないまでも、見間違いかもしれないと思い、眠りにつくのでした。しかし、この不思議な現象をきっかけにして、ノーマンとクレアは、自宅で起きる様々な怪奇現象に頭を悩ませることとなるのです。そして、クレアの幻覚・幻聴は日増しに酷くなり、カウンセリングを受けるまでに陥ってしまいます。そんなクレアを見かねたノーマンも当初は枚挙に暇が無い怪奇現象に対し、懐疑的だったものの、クレアが嘘をついているとも思えず、不承不承、彼女の言動に耳を傾けつつ解決の糸口を探ります。神秘的な表現と身の毛もよだつ様な恐ろしい表現が交互に現れることで、常に心拍数は上がっている状態だと言える映画です。夫婦に降りかかる怪奇現象は霊の仕業なのか、それとも…。二転三転する物語の展開の連続に、物事の本質が一体どこにあるのか、きっと分からなくなることでしょう。単純なホラー映画だけでは物足りないという方にお勧めの映画です。