ペリリュー 楽園のゲルニカ

ペリリュー 楽園のゲルニカ

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』とは、『ヤングアニマル』にて2016年から2021年まで連載された武田一義による漫画作品、およびそれを原作としたアニメ映画である。原案協力を平塚柾緒(太平洋戦争研究会)が務めた。南洋の楽園ペリリュー島を舞台に、太平洋戦争末期の凄惨な地上戦を、22歳で漫画家志望の兵士である田丸均(たまる ひとし)一等兵の視点から描いたフィクションである。本作は連載中から大きな反響を呼び、2017年には日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。連載終了と同時にアニメ化が発表され、2025年12月には劇場アニメとして公開された。
本作の大きな特徴は、登場人物たちが親しみやすい三頭身の可愛らしいタッチでデフォルメされて描かれている点にある。美しい自然を背景に気弱な若者である田丸が緊張感を和らげる一方で、描写される戦闘や死体の数々は極めて凄惨であり、そのギャップが戦場の悲惨な現実をより際立たせている。この独自の表現は「イラストはかわいらしいがテーマは凄まじい」と読者の間で話題を呼び、戦争漫画としては異例のヒットを記録した。著者の武田は、2015年の天皇皇后(当時)によるペリリュー島慰霊訪問のニュースを契機に島を知り、綿密な文献調査や現地取材を重ねて本作を創り上げた。タイトルの「ゲルニカ」には、ピカソの反戦絵画のように戦争の惨禍を伝える意図が込められている。
物語は昭和19年夏、漫画家を夢見る田丸一等兵がペリリュー島へ駐屯するところから始まる。やがて圧倒的な兵力を持つ米軍が上陸し、美しい島は一瞬にして地獄へと変貌する。日本軍守備隊は広大な洞窟陣地に潜伏し、激しい砲火や極限の渇き、飢えに耐えながら執拗な持久戦を展開していく。連日の激戦の末に守備隊本部が玉砕し組織的戦闘が終わりを迎えても、生き残った田丸たちは終戦の事実を知らぬまま、命を懸けた過酷な潜伏生活を続けることとなる。

ペリリュー 楽園のゲルニカのレビュー・評価・感想

ペリリュー 楽園のゲルニカ
9

戦争を知らない多くの日本人に読んでほしい

戦争という重いテーマを扱っているにもかかわらず、漫画の人物がかわいいタッチで描かれているので大変読みやすいです。
しかし、前述した通りに扱っているテーマが重いため、漫画でなければ顔をそむけてしまうような場面がたくさん出てきます。
ですから、今回も漫画でなければ手に取らなかったかもしれません。
この漫画は、太平洋戦争でもあまり知られていない激戦地である『ペリリュー島』の闘いを描いています。
ペリリュー島はパラオ諸島の中の一つの島です。
日本から直線距離にして3,000km余離れた、遠い南国の島です。
この漫画の作成にあたり、作者の武田一義さんは、実際にこの激戦に参加した人たちを丁寧に取材し、まとめあげたそうです。
ですから、出てくる場面の描写も非常にリアルで、体験した者でしかわからない場面が数々出てきます。
また、この漫画の影響で、実際にペリリュー島へ行きました。
日本軍司令部の跡や、数々の洞窟、戦争の残骸等々をガイドの方に案内していただき、見学させていただきました。
そして、最後には、司令官だった中川州男大佐が自決した洞窟へも行き、お線香を上げさせていただきました。
現在、多くの日本人は豊かで平和な日々を送っています。
これらは、命を捨てて日本の国を守ろうとしてくださった多くの先人の方々の礎の上に築かれていることを忘れてはならないと改めて思いました。
漫画なので、世代を問わず小学生でも読むことができます。
戦争について知る手がかりにもなると思います。
素晴らしい作品です。
多くの戦争を知らない日本人に読んでほしいと思います。