ナイロビの蜂

ナイロビの蜂のレビュー・評価・感想

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ナイロビの蜂
10

何度も観たくなる、最も観て欲しい映画

『ジョン・ル・カレ』という実在した元スパイが原作なので、設定の説得力は抜群です。
主演は『レイフ・ファインズ』、ヒロインは『レイチェル・ワイズ』、監督は『フェルナンド・メイデス』。
他にも素晴らしい面々がスタッフに名を連ねており、観る前から、名作の予感に胸が膨らみます。
非常に豪華なキャストです。
物語自体は単純でわかりやすいのですが、演出がそれをより重みのあるものへと引き上げており、なにより、アフリカの大地の過酷な美しさに圧倒されます。
たくさんのテーマが内包された作品ですから、観る側には様々な受け取り方があるでしょう。
何度も観る度に、様々な事を一層深く考えさせられます。
私が一番感動したのは、アフリカの文化や大地の描写です。
モニターを通してすらこの力強い美しさ。
一見の価値ありです。
例を挙げると、UN(国連)が支援物資を届けるシーンがあります。
正直「えっ?」と驚きました。
言葉で説明するのは簡単ですが、動画で見せられるとなかなかのショックを受けます。
日本で普通に生きていたら想像できない世界を可視化し、映画という形にしてくれた製作者達には感謝の意しかありません。
フィクションではありますが、この映画を観て得るものは多かったです。
先述しましたが、多くのテーマが丁寧に描かれている作品です。
何年かおきに何度も観て欲しい、とても良いおすすめの映画です。