アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』とは、『月刊コミックゼノン』(コアミックス)にて2018年7月号から2025年7月号まで連載された、荒井ママレによる漫画作品である。医療原案は富野浩充(焼津市立総合病院薬剤科)が担当。タイトルにある「アンサング(unsung)」は日本語で「讃えられない」を意味し、縁の下の力持ちとして患者を支える薬剤師の姿を表現している。
物語は、病院薬剤師の主人公・葵みどり(あおい みどり)を中心に展開する。みどりや薬剤部のメンバーが、医師、看護師、外部の薬剤師など医療に関わる様々な職種との間で生じる問題に向き合っていく姿が描かれる。作中では、薬剤師法第24条で義務付けられている「疑義照会(処方箋の内容に疑問がある場合に医師に確認すること)」が主要なテーマとなっており、それを実践する薬剤師の葛藤や行動、そして周囲の医療従事者や患者に及ぼす影響に焦点が当てられている。
本作は『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』のタイトルでテレビドラマ化され、2020年7月16日から9月24日までフジテレビ系の「木曜劇場」枠で放送された。主演は石原さとみが務め、原作ではキャリア2年目である主人公のみどりが、ドラマでは入社8年目の設定へと変更されている。
ドラマの制作にあたっては、新型コロナウイルスの感染拡大による撮影中断や放送開始の延期、さらに出演予定だった清原翔の急病による降板と成田凌への代役交代に伴う撮り直しなど、多くの困難を乗り越えて放送にこぎつけた。また、クオールホールディングスをはじめとする調剤薬局チェーンや医療用薬品メーカーが番組スポンサーとして協賛し、作中のキャストが出演するタイアップインフォマーシャルが放送されるなど、実際の医療・調剤業界とも深く連動した展開が行われた。

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどりのレビュー・評価・感想

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり
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薬剤師が主人公の病院マンガ

今まで医師や看護師を主人公とする作品が多かった中で、これは薬剤師を主人公とするマンガです。主人公、葵みどりは8年目を迎える薬剤師。年齢は30才を過ぎています。医師が処方した薬に疑問があった場合、疑義照会と言って、医師に確認をもらわないと明らかな誤りでも勝手に変更することはできません。「よきにはからえ」的な医師の対応が、薬剤師と医師の力関係をよく表しています。もう一つの視点が、患者さんやその家族との関係です。薬剤師は入院患者に対して、薬剤について説明したりフォローしたり、ときには医師にその内容を伝えて調整を図ったりします。患者さんの病気に対する思い、薬に対する思いをくみ取ることも薬剤師の大切な仕事です。生真面目なみどりは、患者さんへの「思い入れ」がとても強く、患者さんの家まで行ってしまうこともあります。みどりと患者さんの関わりを通じて浮き彫りにされる、患者さんの「生活像」そして、「患者さんへの生活への介入(ときにやりすぎ)」の場面が、様々なエピソードとともに丁寧に描かれています。患者さんの心理がきめ細かく描かれていることも、この作品の魅力です。その背景には、みどりの亡母、そして妹の「病気との闘い」がありました。みどりは小学生のときに、妹を白血病で亡くしました。その時、親身になって幼い「みどりちゃん」を気にかけてくれたのが、病院の薬剤師さんだったようです。この辺で、みどりが薬剤師を目指した理由が明らかになり、また、萬総合病院に入職した「ご縁」も納得できる感じです。
みどりは総合病院の薬剤師ですが、地域のドラッグストアや在宅を行う薬局薬剤師との連携もあります。若くて情熱的で、でもちょっとおっちょこちょいなみどり、きっと恋バナが…と読者は期待しますが、残念ながらみどりの恋バナは最後まで出てきません。今後みどりはどう成長していくのか、私生活ではどんな「出会い」が待っているのか、まだまだ期待されます。続編が出ることを待ち望んでいます。