独特の雰囲気に癒されたい人におすすめです
2019年に発売されて一躍話題になった和山やま先生の「夢中さ、きみに。」。作品全体にある、独特のノスタルジックな雰囲気がとても素敵な作品です。「林」と言う少年の周りで起こる様々な出来事が主題になっているのですが、林くんが主人公然としているわけではないところが非常に不思議な物語です。
林くんの周りの人々が彼に関わっていくことで起こる、決して大きくはない日常の出来事をユーモアたっぷりに、ですが穏やかな空気感で描かれています。林くんは最後までミステリアスなキャラクターですが、少しずつ彼の持ち味が見えるところに可愛らしさや魅力を見つけることが出来て、とても惹かれるキャラクターとなっています。
所々に散りばめられているユーモアもとても独特な雰囲気があり、ついついクスッと笑いながら読み進めてしまいます。
WEBで話題になっていた同作者のシリーズ、「うしろの二階堂」も加筆されて収録されており、このシリーズに関しては描き下ろしの続編も収録されています。
こちらの作品も、元からファンだった人はもちろん初めて読む人もしっかり満足できる、心が満たされるものになっていました。二階堂くんと目高くんの魅力をより知ることができる続編でした。
高校生の、複雑だったりそうではなかったりする感情や関係性が好きな人には、ぜひおすすめの作品です。