小林昭二
小林昭二(こばやし あきじ)とは、日本の俳優、声優である。本名同じ。東京府豊多摩郡出身で日本大学芸術学部映画学科を中退している。
劇団俳優座養成所の第2期生として小沢昭一や土屋嘉男らと同期であり、1952年に新東宝の映画『殺人容疑者』で銀幕デビューを果たした。その後は劇団仲間や新協劇団、劇団新人会、俳優小劇場などの様々な劇団や舞プロモーションに所属した。舞台を中心に各社の映画へ出演する一方、円谷プロダクションや東映が製作した特撮テレビ作品で非常に大きな活躍を見せた。特に『ウルトラマン』のムラマツキャップ(隊長)役や『仮面ライダー』の立花藤兵衛役(おやっさん)が広く知られており、『ゴジラシリーズ』や『ガメラ2 レギオン襲来』といった日本を代表する特撮作品にも多数出演している。時代劇や現代劇においても、悲運な小市民から重厚な黒幕、狂気を孕んだ極悪大盗賊まで、善役から悪役、さらには得意のコメディ演技に至るまで幅広い役柄をこなすいぶし銀の存在感を示した。また市川崑監督からの信任が厚く金田一耕助シリーズ全作に出演したほか、ハリウッドスターであるジョン・ウェインの日本語吹き替えのフィックス(専属声優)としての実績や、時代劇のナレーターとしての実績も数多く残した。
ウルトラシリーズの現場では後輩役者やスタッフから普段も「キャップ」と呼ばれて親しまれ、共演した黒部進らには「子供番組であっても子供にこびることなく一般ドラマと同じように演じること」を諭すなど、作品や絵づくりに対して強いこだわりと真摯な姿勢を持って臨んでいた。のちに『ウルトラマンG』ではアーサー・グラント隊長の吹き替えを担当し、1997年の映画『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』には遺影として登場している。
仮面ライダーシリーズにおいても出演者やスタッフから「おやじさん」と慕われ、若手の多い現場のまとめ役として揉め事を防ぐなど絶大な信頼を寄せられた。『仮面ライダー』の第1話から『仮面ライダーV3』の最終回まで全話に出演し、その後のシリーズでも多忙な撮影スケジュールをこなした。『仮面ライダーX』の主演を務めた速水亮に対しては、自身の出演していない回の芝居までチェックして演技のアドバイスを送るなど頼りがいのある姿を見せている。1979年の『新・仮面ライダー』の企画段階において、役者としてさらに次の段階へ進みたいという強い役者魂から立花藤兵衛役でのレギュラー出演を固辞したが、放映開始前の特別番組には同役で出演して新番組への引継ぎ役を務めた。その後、平山亨や阿部征司プロデューサーの作品である『ザ・カゲスター』や『特捜最前線』などには快くレギュラー・ゲスト出演をしている。後年には『とんねるずのみなさんのおかげです』内の『仮面ノリダー』でも熱心なオファーを受けて立花藤兵衛役を演じ、2016年の映画『仮面ライダー1号』でも劇中の写真として登場した。
ジョン・ウェインの吹き替えにおいては、当初は自身をミスキャストだと感じつつも、ウェインの細かな演技や喜劇的な息の使い方の巧みさを高く評価してアテレコを演技の勉強にしたと語っており、その実力は音声業界や吹き替えファンから現在も高い支持を得ている。1996年7月に咳が止まらなくなったことから検査入院した際に末期の肺癌が判明し、闘病生活の末に同年8月27日、昭和大学附属藤が丘病院にて65歳で逝去した。
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