コクーン

コクーン

『コクーン』(Cocoon)とは、1985年に制作されたアメリカ合衆国のSFファンタジー映画である。監督はロン・ハワードが務め、ドン・アメチーやウィルフォード・ブリムリーらが出演し、老人たちと異星人との交流を描いている。本作は第58回アカデミー賞において視覚効果賞を受賞したほか、アート役を演じたドン・アメチーが助演男優賞を受賞した。また、第13回サターン賞においてSF映画賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、音楽賞の7部門にノミネートされたが受賞には至らなかった。1988年には続編『コクーン2/遥かなる地球』も制作されている。
物語は、フロリダの老人ホームで暮らすアートら3人組の老人が、隣の空き別荘にある室内プールへ無断で忍び込む場面から始まる。ある日、その別荘がウォルターと名乗る男とその仲間たちに貸し出され、彼らは海中からフジツボに覆われた大きな球体(コクーン=繭)を引き揚げ始める。ウォルターたちの正体はアンタレア星から来た宇宙人であり、その目的は1万年前に地球へ飛来し、拠点の海没によって繭の中で眠り続けている仲間を連れ帰ることであった。別荘の住人の留守を狙ってプールに侵入した老人3人組は、引き揚げられた繭が沈められたそのプールで泳いだ結果、若者のような生気を取り戻す。宇宙人たちは繭に触れないことを条件にプールへの侵入を黙認し親交を結ぶが、彼らの活力をいぶかしんだ老人ホームの他の住人たちが大挙してプールへ押し寄せてしまう。しかし、老人たちを活性化させていたのは繭の中の星人を回復させるためのエネルギーであったため、この乱入によって星人たちは衰弱し、死者が出る事態へと発展する。癒しの力が損なわれたプールは地球人を救うこともできなくなり、宇宙の旅に耐えられなくなった星人たちの繭は再び海中へと戻されることとなった。ウォルターは謝罪するアートに対し、共にアンタレア星へ向かい地球とは異なる文明を学ぶことを提案し、全てを捨てて宇宙船に乗り込めば不死の未来が待っていることを告げ、翌日に地球に残る者と旅立つ者との別れの時を迎える。

コクーンのレビュー・評価・感想

コクーン
10

心優しき名作

この作品は、人生の喜び悲しみを描いた心優しい作品。老人ホームで暮らす老人たち。生きる希望がない病気で苦しむ人も多い。そんなホームの隣に、怪しげな人物たちがやってくる。日夜怪しげな行動。プールに何か沈めているようだ。楽しみのない老人たちにとって興味深い、怪しげな連中を監視。連中のいない隙にプールに忍び込む。沈んでいたのは繭のようなもの。老人の一人が飛び込んで調べ始める。それから数日、老人の体に変化が起きた。なんと若返っているではないか。仲間の老人たちもプールに飛び込むと若さがよみがえる。失われた青春を謳歌する老人たち。病気も快復。しかし、怪しげな隣人にばれてしまう。隣人の正体はなんと、異星人。数十万年前に地球に来た仲間を救いに来たのだ。なんと心優しき異星人たち、老人たちを責めることなく許すのだ。異星人たちの星では永遠に生きられるとの事。老人たちの老いる悲しみを知った異星人は、老人たちに移住を勧める。数日後の深夜に迎えの円盤が来るという。果たして老人たちの選択は…。この作品は老人問題をシリアスに描くだけではなく、エンターテインメントとして描いた稀にみる作品。監督はロン・ハワード。心優しき名作。