あだち充傑作の「みゆき」
あだち充著作の「みゆき」についてのレビューとなります。
若松真人という主人公は、大した取り柄のない人物ではあります。しかし彼には人間味があり、誰からも嫌われることのない裏表のなさが魅力的な人物で、とても好感を持って読み進めることができます。またヒロインはふたりいて、活発で誰からも人気のある妹キャラのみゆきと、ザ・ヒロインであり高身長高学歴美人といったお姉さん系キャラのみゆきのふたりです。その他にメガネモブキャラだけど真っ先に結婚する女友達や、男前だけどすぐボロがでるキャラなど多彩な人物が描かれています。
物語が進むにつれて登場人物も年齢を重ねていき、義妹のみゆきは高校受験を迎えます。また、主人公たちも大学受験に挑むなど、自分の人生にも重ねて共感できる部分があります。単行本では全12巻、ワイド版は5巻で発売されていますが、すぐに読み終わってしまう物語です。
学生時代の恋愛モノとなっており、ご自身の学生時代と重ねてなつかしむこともできますし、まだ若い年齢の方については高校時代や大学時代についてこんな楽しみ方があるのかと、はっとさせられる部分もあります。同級生のみゆきも含めたメンバーでひと夏海の家でのアルバイトをしているところから始まり、同級生のみゆきにフラれたと思った後に義妹のみゆきに会うというところから、もうあだち充ワールドに引き込まれますので、何回も読み返す価値があります。