ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 / Herb and Dorothy

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 / Herb and Dorothy

『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』(原題:Herb and Dorothy)とは、佐々木芽生が監督を務めたドキュメンタリー映画である。アメリカ合衆国のナショナル・ギャラリーへ膨大な現代アートのコレクションを寄贈したことで知られる、ハーブとドロシーのヴォーゲル夫妻を題材としている。2008年のハンプトン国際映画祭ドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞し、日本では2010年に『ハーブ&ドロシー アートの歴史を塗りかえた小さな二人』のタイトルで上映されたほか、2012年には続編も公開された。
ハーバート(ハーブ)・ヴォーゲル(1922年 - 2012年)は、ニューヨークの元郵便局員である。ポーランドおよびロシア系ユダヤ人の家庭に生まれ、独学や大学での学習を通じて西洋絵画から東洋芸術まで幅広い知識を習得した。自身も抽象画を手がける画家であり、収集活動の資金には彼の収入が充てられていた。妻のドロシー・ヴォーゲル(1935年 - )は元公立図書館司書であり、彼女の収入は二人の生活費として使われていた。

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 / Herb and Dorothyのレビュー・評価・感想

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 / Herb and Dorothy
9

価値観を学ぶ

このドキュメンタリー映画はとある夫婦のアートに溢れる生活と、2人を取り巻く芸術家、芸術を守りたい人への取材記録です。ニューヨークの小さなアパートでひっそりと暮らすご夫婦の家には、近代アート作品がひしめき合って飾られたり、しまわれたりしています。それはもうあり得ない数が。そのすべてはご夫婦で実際に芸術家のギャラリーに赴き、お金を出し、コレクションしたものたちです。夫婦は取り立てて金持ちというわけではありません。ご主人は郵便局員です。しかし、アートへのお金は決して惜しみません。無名、有名関わらず、自分の目で良いと思った作品はお金を出して買います。その寛大さゆえに現在は巨匠となった芸術家たちの初期のアートコレクションも多数保持しています。芸術家も頭の上がらないほどの目利きなのです。
今では有名なコレクションに招待されるようになるほどその世界では有名なご夫婦のようですが、すべての動機は現代アートへの純粋な愛情。芸術が好きで好きでたまらないのです。独自のコレクションを使ってお金儲けしようなんてこれっぽっちも考えていない。芸術にとって、芸術家を守り育てるために、何が1番正解かというポリシーを貫いています。カッコいい、その一言に尽きます。