禅と骨 Zen and Bones

禅と骨 Zen and Bones

『禅と骨 Zen and Bones』(ぜんとほね Zen and Bones)とは、2016年に公開された、日米合作のドキュメンタリー映画。日系アメリカ人の禅僧、ヘンリ・ミトワの波乱に満ちた生涯を軸に、日本とアメリカをまたぐ移民史、宗教、戦争、家族の記憶といったテーマを描いた作品である。監督は『ヨコハマメリー』などで広く知られるドキュメンタリー映画の名手・中村高寛。日本では2017年に劇場公開されており、公開終了後はDVD化や各種配信サービスでの公開を通じて視聴が可能となっている。ドキュメンタリーでありながら、俳優による再現ドラマを大胆に取り入れている点が特異であるとして話題となった。本人や関係者の証言、記録映像といった事実の断片に、演出された映像を重ねることで、現実と虚構の境界を意図的に曖昧にする手法がとられ、その技術には多くの称賛が集まった。
「禅」という宗教的、かつ精神的なテーマを扱いつつも、作品は禁欲的な語りに留まらず、ヘンリ・ミトワの生涯を通して、欲望や金銭、性愛といった人間の生々しい側面を強く描き出している。聖と俗を行き来するミトワの破天荒な生き様と、第二次世界大戦期における日系人強制収容という歴史的背景とも深く結びついており、個人の逸話にとどまらず、20世紀の社会史そのものを体現するような構成が特徴となっている。

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