笑いと人情のライトな時代劇・日本の走れメロス
江戸時代の小藩の藩主が存続の危機を乗り越えるため、数人の家臣達とともに陸奥国・磐城(福島県いわき市)から江戸までを5日間で駆け抜けてゆく姿を描いた2014年公開のコメディ時代劇映画。
佐々木蔵之介演じる藩主・内藤政醇は閉所恐怖症という弱点があり用を足すにも難儀しているが、領民たちにも気安く、困っている人には誰にでも手を差し伸べるなど心優しい殿様。
ヒロインに深田恭子、家臣役には西村雅彦、寺脇康文、六角精児、柄本時生など。敵役に陣内孝則と個性豊かな俳優陣が名を連ねる。
山中を駆け抜け、川に落ち、藩主は指名手配され、夜襲に遭い、少ない資金で雇った者には逃げられるなどの苦難を藩主の人柄や家臣たちの特技、そして出会った人々との縁や力で乗り越えていく。
本作は主要登場人物の磐城訛りこそあるものの台詞回しそのものは古臭くなく、経路を地図で度々説明してくれたり、江戸時代の街道・関所・参勤交代のルールや仕組みを学ぶこともでき、殺陣・アクション、恋愛、ギャグなどのライトなシーン、そしてわかりやすい悪役たちの存在などストーリーもわかりやすく世代・性別を問わず楽しみやすい作品となっている。
2年後には本作のエンディング直後の騒動を描いた続編映画も公開されるなど好評を博した。