獣王星 / Jyu-Oh-Sei

獣王星 / Jyu-Oh-Sei

『獣王星』とは1993年から2003年にかけて樹なつみが『LaLa』『メロディ』で連載した長編サバイバルSF漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。
テラフォーミングが完了し、もう一つの星系・バルカン星系に人類が移住して太陽系との二大星系時代が到来した未来。エリート階級の暮らすコロニーで生まれ育った少年トールは両親を殺され、異形の植物が跋扈する死刑星・キマエラに追放されてしまう。真実を知るべく、トールが過酷な運命に翻弄されながらキマエラのトップ「獣王」を目指す姿を描く。

獣王星 / Jyu-Oh-Seiのレビュー・評価・感想

獣王星 / Jyu-Oh-Sei
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エリートの道を歩んでいた少年が落とされたのは、過酷な自然・異形の生物と植物が跋扈する死刑星「キマエラ」。惑星を脱出し、家族の仇を取るため少年は「獣の王」を目指す!

「獣王星」はKinKi Kidsの堂本光一が主役を勤めたアニメ版も存在しますが、今回は原作漫画版について紹介したいと思います。
時は未来、舞台はテラフォームが完了し人類の第二の移住先となった「バルカン星系」。バルカン星系のスペースコロニーの一つ・「ユノ」に暮らす主人公トールは、パイロットとなって太陽系へ行くという夢を持つ普通の少年でした。しかしある日双子の弟ラーイと共に自宅に戻ると、両親が何者かによって無惨に殺されており、さらに二人は何者かによって脱出ポッドによりとある惑星へ追放されてしまいます。
何もしていないのに、何故自分達がこんな目に会わなくてはならないのかー困惑するトールに、脱出ポッドの中の声は、トールの両親と親しかったバルカン星系の指導者オーディンがトールの家族全員を抹殺しようとしていることを告げます。
二人が落とされのは、重罪を犯した人間だけが追放される幻の惑星「キマエラ」。キマエラは昼が181日・夜が181日続き、昼は猛暑・夜は極寒、さらに異形の動植物が存在するという過酷な自然環境を持つ惑星でした。
キマエラに落とされることは殺すも同然のこと。そこで生き残るには「獣」になるしかないー始めは「獣」になんかなりたくないと思っていたトールですが、コロニーで暮らしていた頃の常識がまるで通用しない星に、生きるために誰かを殺すことをためらわないようになります。キマエラでの過酷な日々を送る中弟のラーイを失ったトールは、キマエラの住民である少女ティズと青年サードに助けられ、彼らの仲間に加わることになります。
何故両親は殺されなくてはならなかったのか、オーディンの目的は一体何なのかートールは家族の仇を取るためキマエラのトップ「獣王」を目指すことを決意します。
始めは家族を仇を取るため、様々な仲間達との出会いや闘いを経て「獣王」となる道を歩むトールでしたが、物語が進むにつれてだんだんバルカン星系や惑星キマエラの抱える秘密がトールの運命と関わってくるようになり、終盤には驚愕の事実が明かされ、トールはキマエラだけでなくバルカン星系の運命を担う存在になって行くのです。
様々な魅力溢れるキャラクター・惑星キマエラの過酷な自然環境・トールに襲いかかる過酷な運命ー何もかも失いながらも生きるために前へ前へ進むトールの姿は、生きる勇気を与えてくれます。