BALLAD 名もなき恋のうた

BALLAD 名もなき恋のうたのレビュー・評価・感想

BALLAD 名もなき恋のうた
7

時空を超えた遠国時代の物語

この映画は草彅剛さんや新垣結衣さんが出演した戦国時代を生きる人々のヒューマンストーリーで、それに対して、現代人がタイムスリップすることで物語を面白くしています。主人公となるのは小学生の川上真一です。彼は、頻繁に湖の辺りで祈るお姫様の夢を見ていました。彼の家の近くには自分と同じ姓である「川上の大クヌギ」があることを、真一の父親が不信感を抱きます。ある日、その木のそばで、古い木箱が出てきます。その中の文書を読むと真一は気を失ってしまうのです。目が覚めると、そのそばに大きな気はなく、現代にもあったお地蔵様だけがありました。自転車に乗り近くを散策すると、鎧武者たちが集まっている様子を目撃します。そのそばには火縄銃を抱えながら誰かを狙う二人組がいます。その二人に、真一は声をかけると、火縄銃の狙いが外れ、逃げていきます。真一が助けたのは、井尻又兵衛だったのです。真一又兵衛により城に連れて行かれます。真一は、携帯電話などを駆使することで、未来から来たことを説得します。そして、又兵衛のもとに、真一は引き取られます。又兵衛の計らいにより、真一は未来の両親に対して手紙を書きます。その、手紙は新一の良心の目に入ることになります。その手紙を見た、両親は歴史書を調べあげ、川上家とその家族によって、戦国時代の又兵衛が助けられたことを知ります。それを知った母親は、川上家のその一族は私たちのことに違いないと確信し、オオクヌギの前に車を走らせ、タイムスリップの時を待ちます。そして、本当に戦国時代にタイムスリップをするのです。戦国時代の人々は、未来から来た自動車やカメラなどについてとても驚きますが、真一の両親と知り、安心して迎えてくれます。
その後、又兵衛の幼なじみである廉姫に対して、他の国からの武将から結婚したいという武将が現れますが、廉姫は拒否します。それが、原因となって大きな戦となってしまうのです。最初は、対等に戦いますが、少々又兵衛の形成が不利となり、又兵衛は翌日早朝の奇襲をかけることとなります。又兵衛は、川上家に対して奇襲の前に自動車で帰ることを勧めます。しかし、形成が不利になるのを目撃した真一は父親に対して自動車で応援に行こうというのです。母ややめようと言いますが、父親はよく考えた末、戦の応援に出かけることとなります。きっと、真一に対して男の生き様を見せたかったのでしょう。その加勢があって、又兵衛たちは戦に勝ちます。しかも、通常であると相手の将軍の首をかっきるのですが、真一の説得もあり、又兵衛は相手の将軍のマゲだけを切るのです。
その後、勝利した事実を抱えて、自らの城に向けて歩き出しますが、突然の発砲音がし、又兵衛は胸を撃ち抜かれてしまうのです。又兵衛は、かつて真一に助けられた命を思い出します。つまり、真一がいなくなると又兵衛は死ぬ運命であることを悟るのです。その後、川上家は、廉姫と別れを告げ、現代に戻ってきます。そして、初めて、近所の丘が廉姫が住んでいた白があった場所と知るのです。真一はそこで、石碑を見ます。そこには、「ありがとう・廉」と記載されているのです。それを見た、真一は男らしく成長し始めるのです。

BALLAD 名もなき恋のうた
9

原作とは別物。でも素晴らしい。

本作品は、「映画クレヨンしんちゃん 嵐をよ呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を原作とした実写映画です。
が、おバカでかわいい幼稚園児は出てきません。家臣(草彅剛)と一国の姫(新垣結衣)の、恋の物語です。
なんせ…なんせ新垣結衣さんがかわいいです。気の強い姫様役、ため息が出ます。
そんな姫様に恋心を抱く、侍大将役の草彅剛さん。姫様と随分歳が違うような…という違和感はあるものの、原作でも「歳の割に老け顔」と称される役なので、そこは飲み込んで進みます。
ストーリーは、一国の姫様(新垣結衣)と、家臣・又兵衛(草彅剛)。お互いに恋心を抱いている。姫は恋心を隠さないが、家臣は身分を気にして恋心を隠し姫を諫めている。そんな日々。
ある日、隣国の悪名高い殿・高寅(大沢たかお)が姫を嫁に取りたいと申し出てくる。さて、姫と家臣の恋はどうなるのかーー。
見所はクライマックス。高寅の縁談を断り、戦に発展するも、又兵衛の奇襲によって高寅の首は目前。又兵衛と高寅の一騎討ち。国と国の領地争いとみせかけて、実はオンナをかけた戦い。
一騎討ちの最中、高寅からは本音が溢れ出し、又兵衛は建前を口にする。こんな命の瀬戸際でも、身分の差が出るのかーーコントラスト光る、グッとくる良いシーンです。