ユージュアル・ネイバー

ユージュアル・ネイバー

『ユージュアル・ネイバー』(原題:The Harvest)とは、2013年製作のアメリカのサスペンス・スリラーである。両親を亡くした少女と、病弱で外出を禁じられた少年の交流を軸に、家族という閉鎖空間に潜む狂気と恐るべき秘密を描き出している。監督は『カルト・オブ・チャッキー』などで知られるジョン・マクノートン。
主人公の少女マリアンは、祖父母の家の隣に住む車椅子の少年アンディと出会い、孤独な彼と友情を育んでいく。しかし、アンディの母キャサリンは医師でありながら、息子への異常なまでの過干渉と執着を見せ、マリアンの訪問を激しく拒絶する。不審に思ったマリアンが家の中に忍び込むと、地下室で昏睡状態に陥ったもう一人の少年の姿を発見し、事態は予測不能な闇へと加速していく。
サマンサ・モートンとマイケル・シャノンが演じる夫婦の危うい均衡が崩れるとき、アンディの出生と、彼が「生かされている」本当の理由が残酷な形で明らかになっていく。マクノートン監督が「親からの独立とおとぎ話の骨格」をテーマに掲げた通り、歪んだ愛情という名の支配から脱しようとする子供たちの抵抗を描き切った一作である。

ユージュアル・ネイバーのレビュー・評価・感想

ユージュアル・ネイバー
8

ユージュアル・ネイバーを観た感想

ジャンルとしてはサスペンス・ホラーです。幽霊は出てきません。本当に怖いのはやっぱり人間だと思わせられる作品です。
一見普通にみえる母親、父親、息子の三人家族。母親も父親も医療関係者で、病に苦しむ息子を献身的に看病しています。母親は看病には熱心で普段は穏やかに喋るのですが、ひとたび怒るとヒステリックになります。父親は気の弱そうな感じで、妻を恐れて従っているものの、堂々と浮気しています。ねじれた夫婦ながら、息子に対しての愛情はしっかりあるように思えるのですが、終盤にどんでん返しが起こります。息子は実は本当の子どもではなく、本当の息子は地下室に隠されていました。本当の息子が瀕死の状態で、それまで息子だと思っていた子どもは、実の息子の命を長らえるために誘拐された他人の子どもだったのです。母親と父親は熱心に看病していたのではなく、誘拐した子どもを衰弱させて、本当の息子のために臓器移植までおこなっていたのです。父親のほうは、誘拐した子どもにも情が移っており、最後は誘拐した子どもを逃がす手伝いをし、実の息子と心中します。母親のほうは最後まで発狂していましたが、結果的には家族と心中したことになるような描かれ方です。愛情が狂気になる恐ろしさを感じました。