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読まなければまず分からない意外な内容
この漫画はヒロインの霧里七華が階段からの転落事故によって精神だけが6歳の「きりさとななか」に逆戻りし、そのななかが様々なトラブルを引き起こすという物語です。七華の幼馴染である不良少年の凪原稔二、元来はいじめっ子グループのリーダー格であった雨宮ゆり子はななかの秘密を守るために奮闘します。
個人的に稔二、ゆり子がななかとの関わりの中で当初の設定よりも良い人物になっており、これは読まないとまず分からない内容です。むしろ本当に性格が悪いのはお嬢様キャラである氷室那由であると、読んでいればすぐに分かります。
恋愛描写やお色気描写も自然かつ軽快で、何度繰り返し読んでみても気分が良いです。ななかのおバカ描写も作品の根幹であり、作者の「簡単にオチが分かったらつまらないだろう」「幼児の考えは大人には分からないと思う」という意図が読み取れます。
七華の第3人格「ヒロ」はなかなかリアルなキザで女たらしなので、読み物として楽しむには悪くないアクセントです。ヒロがいなければこの作品はもっと退屈になっていたのではないかと思います。
本当は7点程度にしたかったのですが、ヒロが面白かったのでオマケで8点を付けることにしました。