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カルチャーショックだらけの日本語学校風景
著者が実際に日本語学校の教師をしているとのことで、リアルな外国人から見た日本のイメージや、諸外国のカルチャーが垣間見えるのが楽しいです。
やはりというか、日本の漫画やアニメが好きで日本語を学ぶことにしたという方も多く登場し、それゆえに妙な言葉が登場するのが笑えます。日本で暮らす外国の方が日本人っぽくなることを「畳化」と言う、ということは初めて知りましたし、知識欲もくすぐられました。
日本では子供のイタズラとして昔からあり、世界的に人気な忍者漫画でも登場する「カンチョー」の話で盛り上がる彼らの会話を見る限り、海外にそのイタズラはないのかも。
他にも楽しかったのは「日本の忍者はどこにいるの?」という疑問。どこまで本気で聞いているのかはわかりませんが、ステレオタイプにも思えるこの質問に「忍者はいません」と答えても「わかってますよ、いることを言ってはいけないんですね」と彼らはやっぱり嬉しそうです。
中には残念なエピソードもあって、日本で日本語を学び続けていた時期に地震が起き、災害が怖いからという理由で母国へ帰られる方たちがいたという事実。せっかく日本が好きで住んで学ぶほどの情熱がある方が、どうしようもできない天災への危惧のために帰らざるを得ないのは、実話を元にしたこの作品ならではのエピソードだと思います。