9
うつ病の男性の元に現れたサキュバスとの、読む心のサプリ漫画
男の精を奪い生きる悪魔サキュバスのさくまさんが、うつを患い性欲のない憂くんを寛解させ、性欲を取り戻させようとする物語。
設定も内容もギャグ漫画でライトに描かれていますが、憂くんのうつの症状は実際にうつを患う人間から見てリアルに感じられました。
さくまさんは、とっくに精神の限界を迎えている憂くんへ(恐らく出社時間以前よりかなり早い)出社を求める怒鳴り声の電話がかかってきた時には彼のスマホを取り上げ上司を怒鳴りつけ、自分が泣いてしまうという悪魔らしからぬ温かい心を見せます。
憂くんはさくまさんのおかげでゆっくりと回復の兆しを見せるものの、元来の真面目な性格ゆえにさくまさんに養われることなどに負い目を感じ一筋縄ではいかない模様。
つい「甘え過ぎですよね僕…」と漏らした憂くんへ「自分甘え舐めてるん?甘えられるやつがそんなに神経すり減らすわけないやろ!甘え下手がうぬぼれおって!」と優しい叱責。
作中には「健康にいい食べ物はない、健康にいい食生活がある」などの名言に溢れ、例を挙げるとキリがないほど。
さくまさんと憂くんの生活には、たびたび天使が乱入し「頑張ってください!みんなは普通にできてることですよ?努力が足りません!こんな状態よくないです!」とまくしたて、悪魔 VS 天使の、治療 VS 追い討ちが展開されます。
自分から迫るのに、責められるのには弱いさくまさんの可愛さも、とても魅力的です。