可不 / KAFU

可不 / KAFU

可不(カフ、KAFU)とは、クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」が企画を行い、名古屋の複数の企業からなる会社「CeVIO」が自社の音声合成ソフト『CeVIO AI』を用いて制作した音声合成ソフト・デスクトップミュージック(DTM)用のボーカル音源の1種およびキャラクターである。正式名称は「音楽的同位体 可不(KAFU)」。KAMITSUBAKI STUDIO所属の人気バーチャルYouTuber「花譜」の声をもとに制作された事で話題となった。

可不 / KAFUのレビュー・評価・感想

可不 / KAFU
9

バーチャルシンガー・花譜の音楽同位体として生まれた存在が歌う「偽り」な世界

バーチャルシンガー・花譜といえば、動画で音楽を聴く機会が増えた人にとってはおなじみの名前になっています。
そんな花譜の声を使った歌唱ソフト、音楽的同位体「可不」が歌う曲の中で、最も有名になっている曲の1つが「フォニィ」です。

「フォニィ」とは「偽物」といった意味を持つ単語で、そのタイトルの通り歌詞の中には「偽物」を歌う場面が多くちりばめられています。
花譜の声から生まれた人工音声である可不が、このような歌詞を歌い上げることで、自身の存在すら「フォニィ」であると訴えているようでもあります。

曲の全体的な雰囲気としては、はっきりとした拍子感があり、また把握しやすいテンポであるといえるでしょう。その代わり、歌のメロディラインは上下が激しく、あちらへこちらへと引っ張られていく感覚があります。
最も高い音は訓練されていない女性が出せるぎりぎりの高さまで上るため、普通に歌おうとしても難易度はそこそこ高い曲になっています。

歌詞の内容は難解ではない分解釈の幅が広いので、様々な人の共感を得られる内容です。
何千万という再生回数を誇っているところを見れば、その歌詞の魅力、歌唱を聴く際の心地よさなどが高く評価されていることは疑う余地もありません。
総合して、評価は10段階中10としたいところですが、歌唱するのが難しいという点で、9としました。