先の読めない展開
何気なく読んでみた感じの漫画だったが、いつの間にか夢中になって読んでいた。社内研修で登山をしている最中に巨大なサルに襲われて人が次々と死んでいき、主人公たちが戦うが、次第に追い詰められていく。まず、サルが襲ってくるという展開はあまり記憶になく、サスペンスものが好きな自分にとってはこの展開のストーリーは初めてで、予測不能な展開で非常に面白く読むことができた。なぜサルが襲ってくるのか。どうやって逃げるのか。どう戦うのか。最初は全く分からなかったことが話が進んでいくうちに徐々に分かってくる面白さ、そして後半になってくると、猿の謎が解けてきて戦い方が分かってきた主人公たちにラストで全貌が明らかになり、最後の方は展開が急に変わってきて予想しなかった終わり方を迎える。読み終わって、満足いく内容。作品は主人公たちの極限状態がうまく描かれており、読み手をハラハラさせる。また、仲間の中に裏切り者がいるという集団心理の描写がうまく、お互いに疑心暗鬼になっていき、仲間同士で憎しみあったりするところにリアルさが出ている。ストーリーのラストは悲しい物語として終わりを迎えることになるが、最後のシーンは少し救われるところがあり、穏やかな余韻を残している。