くーねるまるた

くーねるまるた

『くーねるまるた』とは、高尾じんぐによる料理漫画。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、2012年36・37合併号から2018年7号にかけて連載された。その後、第2部となる続編『くーねるまるた ぬーぼ』が同誌の2018年13号から連載している。日本文化を愛する、のんきで食いしん坊なポルトガル人の主人公「マルタ」が、節約しながら料理と日常を楽しむ様子を描いた作品である。レギュラーキャラクターはマルタを含め全員女性で構成されている。本作の魅力は「安上がりだが一手間かけた料理」にあり、お金をかけずとも工夫を凝らして作られた料理をマルタが幸せそうに頬張る姿が描かれている。また、単なる料理漫画に留まらず、東京の季節の移ろいや風物詩、さらにはマルタの趣味である児童文学や日本文学にまつわるエピソードも豊富に盛り込まれている。

くーねるまるたのレビュー・評価・感想

くーねるまるた
8

ビンボーでも楽しくおいしく!生活の知恵が詰まった漫画

「くーねるまるた」は、ポルトガルから来た留学生マルタさんが、東京にある笑明館という木造ボロアパートで同居人たちと暮らす日常を描いた作品です。
1話6ページ完結の短編漫画集で、空いた時間に読みやすくなっています。
マルタさんは、貧乏でとても食いしん坊な女の子。貧乏ながら、知恵と工夫でおいしいものを作っていきます。
そして作った物を食べる時の表情が最高においしそうでかわいいのです。いっぱい食べる女の子の可愛さが前面に出ています。
また、感性が「日本人」よりも「日本人」らしく、日ごろ忘れがちな自然へのいたわりを思い出させてくれます。
下町を思わせる背景の描き込みも素晴らしく、東京見物に行った時にはマルタさんが訪れた土地へ足を運びました。
1話の最後には、作品に登場した食べ物が簡単に紹介されていて、文の中にはクスリと笑わせるものがあります。
アパートの住人達や町の人たちも個性的で優しく、作品の中に実際に町があるような感覚になります。
しかし物語の終盤で、マルタさんがポルトガルに帰ることが決まり、さらにアパートが取り壊されてしまう危機が訪れます。
200話以上のエピソードを通して、マルタさんと街に愛着を抱いていたので、読んでいてとてもさみしくなりました。
それでも、最終回のすがすがしさは必読です。