トラ・トラ・トラ!

トラ・トラ・トラ!

『トラ・トラ・トラ!』とは、1970年に公開されたアメリカの戦争映画である。1941年12月の大日本帝国海軍による真珠湾攻撃をめぐる両国の動きをテーマに、日本との合同スタッフ・キャストで制作された。監督はリチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二。1970年のアカデミー視覚効果賞獲得作品。
1940年、日米関係が緊迫する中、日本海軍の山本五十六は、対米戦を優位に進める唯一の策として真珠湾への先制攻撃を立案する。航空参謀の源田実や攻撃隊指揮官の淵田美津雄らが極秘裏に準備を進める一方、アメリカ側は日本の外交暗号を解読し、不穏な動きを察知していた。しかし、楽観視や情報の混濁により、真珠湾の警戒レベルは致命的に低いままであった。
1941年12月7日未明、連合艦隊から攻撃隊が発艦。ハワイのレーダーが機影を捉え、潜水艇の接近も報告されるが、米軍上層部はこれらを味方の誤認として無視する。ワシントンでは、宣戦布告となる最後通牒の遅延により、外交官が混乱に陥る。ついに真珠湾上空に到達した淵田中佐は「ワレ奇襲ニ成功セリ」を意味する暗号「トラ・トラ・トラ」を発信し、運命の火蓋が切って落とされた。

トラ・トラ・トラ!のレビュー・評価・感想

トラ・トラ・トラ!
8

巨匠・黒澤明が降板されたにもかかわらず大作戦争映画として仕上がった『トラ・トラ・トラ!』

『トラ・トラ・トラ!』は、1970年公開の大型戦争映画で、1941年の日本軍の真珠湾奇襲を劇的に描いています。製作はエルモ・ウィリアムス、監督はリチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二、キャストはマーティン・バルサム、ジョゼフ・コッテン、山村聰、ジェイムズ・ホイットモア、三橋達也、ウェスレイ・アディ、ジェイソン・ロバード他です。この作品は舛田利雄と深作欣二にとって最初の英語を使った映画であり、日本製ではない映画の監督は両名とも初めてでした。映画の表題の「トラ」とは完璧な奇襲攻撃が成功したことを示す日本軍の暗号であり、偶然にも「虎」と読みが重なりました。
1939年8月、米国は日本に禁輸を課して、なかでも天然資源の輸入を大幅に制限しました。日本陸軍と政府の要人たちは日本海軍が反対しているにもかかわらず独伊との同盟を1940年の9月に推進します。連合艦隊司令長官に新たに任命された山本五十六提督はハワイ真珠湾に係留された米国太平洋艦隊に対する先制攻撃の計画を躊躇しながらも立案します。日本の最良の希望は太平洋の制海権を掌握して米国艦隊を壊滅させる点にあると信じたからです。航空参謀源田実が作戦の全体的な指揮官として選抜され、源田と兵学校時代の学友である淵田美津雄が攻撃隊を率いる指揮官として抜擢されました。

トラ・トラ・トラ!
6

トラ・トラ・トラ

この作品はいわくつきの作品になってしまった。当初の予定では、巨匠黒澤明がメガホンをとることになっていました。しかしながら現場スタッフとの軋轢などが取り沙汰され、解任されてしまった。マスコミは親黒澤、アンチ黒澤に分かれて蜂の巣をつついたような有様で連日連夜映画の事よりも黒澤の精神状態の事ばかり報道する始末で、その間に映画会社の人たちは会議を重ね、膨大な製作費がかかっているために中止することもできずに、新しいスタッフ、キャストを決め、撮影を早急に進めたのです。
出来上がった映画の評判はまずまずの出来だとのことで20世紀フォックスも、胸をなでおろした。この映画の一番のポイントは日米双方の立場から、太平洋戦争をリアリティ豊かに描いた点にあるのだろうと、映画を見て私は強く感じました。日米双方から選ばれた俳優たちの魂のこもった演技のすばらしさを見るにつけ、俳優の実力には国の違いなどないのだと思える。また戦闘場面の映像の凄さは、いまのコンピューター・グラフィックなどとは違います。ほとんどが本物を使って撮影されていることを見ても、この映画を製作した意味が伝わってくるのです。
しかし残念なことは、やはり黒澤が作っていたらまた別の偉大な作品になっていたのだろうかと思ってしまうことです。