ザ・ナイト・ストーカー / THE NIGHT STALKER

ザ・ナイト・ストーカー / THE NIGHT STALKER

『ザ・ナイトストーカー』(THE NIGHT STALKER)とは、1986年公開のアメリカの映画。監督:マックス・クレヴン、出演:チャールズ・ネイピア、ミシェル・リース、キャサリン・ケリー・ラングなど。1980年代半ば、ロサンゼルスを震え上がらせた実在の殺人鬼リチャード・ラミレス。その血塗られた凶行から逮捕に至るまでの緊迫した過程を、スリリングに描き出したサイコ・スリラーの傑作。
物語の舞台は1985年の夏、平穏な街を一変させた凄惨な猟奇殺人事件が幕を開ける。犯人は、罪なき13名の命を無残に奪い、現場に悪魔崇拝の象徴である五芒星(ペンタグラム)を刻印するという、まさに「悪魔」と呼ぶにふさわしい残虐性を発揮する。L.A.市警による必死の包囲網を嘲笑うかのように犯行を重ねるシリアルキラー。人々の恐怖が極限に達し、街から人影が消え去るほどの静寂が訪れたとき、ついにその忌まわしき本性が白日の下にさらされることになる。

ザ・ナイト・ストーカー / THE NIGHT STALKERのレビュー・評価・感想

ザ・ナイト・ストーカー / THE NIGHT STALKER
10

凶悪殺人鬼VSオヤジ刑事のデスマッチ!

演技派かつ強面の役者として主に脇役(悪役)で活躍していたチャールズ・ネピアが珍しく主演した刑事アクション。
”浮浪者や娼婦ばかりを狙っては残虐な殺人を繰り返す元ベトナム帰還兵と対決する、妥協知らずのおっさんハミ出し刑事の活躍”を描いた作品で、いつもは「追われる役・殺される役」が多いネピアが、極悪殺人鬼を追って縦横無尽に街を掛け抜け、立ちふさがる者はたとえ上司であろうと誰であろうと跳ね除ける姿は、
ネピア自身の「俺も一度でいいから、こういう役をやりたかったんだ!」
との”心の叫び”がまるでこちらまで聞こえてくるようで、「こういう役も悪くないな」としみじみ思わせてくれる。
クライマックスでは相棒までも殺され、完全に孤立無援になってしまったネピアが逆襲に転じ、なんと殺人鬼との市街戦まで繰り広げてくれるというサービスぶり。
そして肝心の殺人鬼を存在感たっぷりに演じているのが、かつて「マニアック・コップ」での殺人警官役で注目を浴びた個性派俳優ロバート・ズダーということもあり、終始ホラー風味の刑事アクションというのも新鮮に感じた。
本作はビデオリリースのみの日本未公開作品ではあるが、一口に「未公開作」とはいっても中にはこういった”掘り出し物”はまだまだ眠っているといえる。