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15歳少女、春画を描く
天才絵師写楽の娘・たまきは吉原育ちで15歳。耕書堂2代目・蔦屋重三郎に引き取られ大好きな絵を描きながら毎日を過ごしていた。
かつては名高い絵師を輩出した耕書堂だったが徐々に衰退していく一方。重三郎は起死回生の策としてたまきに春画を描くように命じる。
先代の無念を晴らすため、重三郎がたまきに与えた課題はーー
“由太郎に抱かれてくること“だった!
少女のプライドと誇りをかけた江戸時代のサクセスストーリー。初めはただ楽しく絵を描いていたたまきだったが重三郎の側にいるためにはこうするしかないと抱かれる事を決めた。そして由太郎もまたその想いを察し自らの心を殺してたまきを抱く決意をする。重三郎への恋心との間で揺れ動くたまきの気持ちや、由太郎の葛藤にとても目を惹きつけられました。
愛する母との離別、さまざまな経験を通し培われていくたまきの絵に対する誇り。作者の会田薫さんによりその心情の変化が繊細に描写されています。
精神的にも強くなっていくたまきの成長に今後も期待です。