絶園のテンペスト / The Civilization Blaster / Blast of Tempest

絶園のテンペスト / The Civilization Blaster / Blast of Tempest

『絶園のテンペスト』とは2009年から城平京(原作)、左有秀(構成)、彩崎廉(作画)が『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載していたファンタジー漫画及び、それをもとにしたアニメ作品である。ひとりの少女を殺された二人の少年たちの復讐の旅と、現代に生きる魔法使いたちの争いを描いたミステリー要素を含むファンタジーで、作中はシェイクスピア作品から引用されたセリフが多い。伏線だけでなく、バトルアクションや主人公たちの心理戦を巧みに描いた作品。

絶園のテンペスト / The Civilization Blaster / Blast of Tempestのレビュー・評価・感想

絶園のテンペスト / The Civilization Blaster / Blast of Tempest
10

最後まで引き込まれる世界観!

魔法使いの姫「鎖部葉風」は、意見の対立から他の魔法使いに絶海の孤島に置き去りにされてしまいます。「はじまりの樹」に、文明の機器を供物としてささげなければ魔法を使うことができないため、孤島で葉風は魔法を使うことができなくなりました。その後葉風は海から漂着した瓶に魔具(人形)を入れ、島外との連絡を取ろうとします。
そして葉風の流した瓶を拾った不破真広は、葉風と取引を行い、自分の願いを叶えるため「絶園の樹」と呼ばれる「はじまりの樹」と対をなす樹の復活を阻止するため奔走していくというお話です。

この作品は、推理要素が魅力の1つです。
原作者である城平京先生は、「虚構推理」という小説の原作者でもあり、推理ものを書く才能に溢れた方です。
そのため、本作でもいくつもの伏線や要素がちりばめられており、まるで推理小説を読んでいるかのような気分になります。漫画の中でここまで推理要素を含んだ作品は他にないと思います。

そして、「ファンタジー×ミステリー」の世界観もこの作品をオススメする要素の1つです。
魔法使いが題材になっていますが、物語の舞台は日本であり、出てくる魔法も「防御」「高速移動」「治癒」など、あまりパッとしない魔法です。どこか読んでいてリアルさを感じさせてくれる内容となっており、なぜ攻撃用の魔法が使えないのか、「はじまりの樹」と「絶園の樹」の関係はどういったものなのか、など考察する要素が多く含まれています。

今回、「絶園のテンペスト」のあらすじや魅力的な点を紹介させていただきました。
全10巻と一気読みしやすい巻数となっていますのでぜひ読んでみてください。