心理描写が丁寧な思慮深い作品
高校生の恋愛ストーリーを描いた漫画ですが、心理描写が丁寧で、大人っぽい雰囲気のある漫画です。
同じクラスの生徒として出会った二人はお互いに惹かれていく中で、自分自身の感情と向き合っていきます。
類い稀なるバスケの才能がありながら、問題行動が多く、性格的に問題を抱える高刀と、体が弱くクラスメイトよりもニつ年上の可奈子。二人の恋には浮ついたところがなく、どことなくシリアスで、考えさせられるものがあります。それは、彼らが自分の過去と向き合ったり、自分が逃げている問題に直面させられたりするからかもしれません。
とは言ってもシリアス一辺倒という訳でもなく、ところどころに笑えるコマが挟まれているので読みやすく楽しめます。
特に、高刀家の男四人兄弟が暮らす様子は騒がしくて面白いです。対する可奈子の家は姉との二人姉妹。それゆえに高刀はいかにも男の子であり、可奈子は非常に女性らしく感じられます。
この男女の違いが漫画の中でハッキリさせられていて、お互いの心理の違いが勉強になるなぁと思いました。
可奈子の姉は事故で他界してしまっているのですが、その恋人だった人物がバスケ部顧問としてやってくるなど、少し複雑な人間関係を交えて、ドラマチックにストーリーは展開していきます。
恋愛感情だけではなく、ヒューマンドラマの部分も持った思慮深い作品です。