彼らが本気で編むときは、 / Close-Knit

彼らが本気で編むときは、 / Close-Knit

『彼らが本気で編むときは、』とは、家族の在り方やLGBT差別の問題について扱った、萩上直子監督のオリジナル脚本によるハートフル映画である。物語は、小学生のトモの母親が家出をしてしまうところから始まる。トモは母が帰ってくるまで面倒を見てもらおうと、叔父であるマキオの元へ向かうが、マキオは恋人であるトランスジェンダーのリンコと一緒に住んでいた。トランスジェンダーであるリンコにとまどうトモだったが、リンコの優しさやリンコを取り巻く人々との触れ合いを通して、心を開いていくストーリーとなっている。

彼らが本気で編むときは、 / Close-Knitのレビュー・評価・感想

彼らが本気で編むときは、 / Close-Knit
7

子どもが理解していく様がいい。

すごくいい話でした。子どもが最初からトランスジェンダーのことを分かってるわけでもなく、一緒に生活していくうちに理解しようとしているところがいいと思ったし、知らないことは怖かったりするから、そんなもんだよなと思いました。そして、りんこさんのことをいくら好きでも、やっぱりほんとの母親のことも捨てられなくて、好きでというのがすごくリアルです。母が変わるか否かは分からないけど、変わってくれたらいいなと切に願ってしまうラストでした。りんこさんが、とても素敵で強い女性に育ったのは、あの母親のおかげだと思います。ほんとに子どものことをありのまま受け入れていて、ブラが欲しいといったときの対応とか完璧です。私もああいう母でありたいと思いました。色々と大変な思いをしている人が出ている映画ですが、雰囲気は穏やかな感じで、見やすい映画です。りんこさんが、なんで編み物であれを作り、それを作り終えるまで戸籍は変えないのかはよく分からなかったけど、今までの性、それがどんなに違和感があり嫌なものだったとしても、へのけじめだったのかもしれません。戸籍を変えるのも大変だと聞きます。そこらへんのことはあまり詳しく描かれてなくて、それは残念でした。色々な人が出てきていて、多様性について考えさせられる映画でした。