おはようとかおやすみとか

おはようとかおやすみとか

『おはようとかおやすみとか』とは、2014年よりまちたが『月刊コミックゼノン』で連載していた、主人公と異母兄弟との共同生活をテーマにしたハートフル漫画作品である。デビュー作でありコミックゼノンマンガオーディションにて準グランプリを受賞。他人との共同生活を嫌い、1人で自由に暮らす事を望んでいたサラリーマン・日向和平(ひなたわへい)。新築マンションを購入した矢先に突然現れた腹違いの3姉妹との共同生活を通して、家族とは何か、自分の居場所はどこにあるのかという家族に対する価値観が変わっていく様を描く。

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おはようとかおやすみとかのレビュー・評価・感想

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おはようとかおやすみとか
10

家族や大切な人を思い出し、心温まる作品

時間も忘れて、あっという間に全巻(5巻)読み終えてしまうほど夢中になった作品。

この作品は、28歳の会社員である和平が、ひょんなことから腹違いの3姉妹と共に生活をすることになるところから話が始まる。はじめは、一人の優雅で快適な生活を送ることができなくなり、もともと母親に捨てられた経験からも家族なんていらないと腹を立てる和平であったが、3姉妹との生活を通して少しずつ家族の大切さや自分にとっての家族とは何かを考えていく物語である。

まず、この漫画は絵がきれいで読みやすかった。漫画の中にいくつか手料理が登場するのだが、思わず食べてみたくなるような気持ちになった。また、和平達が次々に問題に直面するも、妹達と協力しながら解決し、家族の絆を深めていくというあらすじがとてもおもしろかった。話のテンポもよく「次はどんなことが起こるのだろう?」とわくわくしながら、読み進めることができた。
さらに、和平の同僚や親しくなった本屋の女性など登場人物一人一人に物語があり、どの登場人物も魅力的だ。中でも、姉妹の長女である穂高が、自分のことより双子の妹達を守るために常に行動する姿には何度も心打たれた。
この漫画は、家族や大切な人を思い出し、心を温かくしてくれるおすすめの作品だ。

おはようとかおやすみとか
8

家族とは

このマンガは、主人公の腹違いの妹3人が突然家にやってくる物語ですが、当然初めて会う妹たちを受け入れられません。しかし、すぐには受け入れられなくても徐々にお互い認めていき、「家族」になっていく物語です。
これに私はとても感動しました。
自分が同じ境遇にあったらと考えたとき、私もすぐに受け入れることはできないでしょう。小学生の双子と高校生を自分ひとりで面倒を見なくてはいけないので、今までの生活が全て変わってしまいます。
しかし、兄妹たちが徐々に受け入れ、家族っぽいことをしたい。や、家族になれているだろうか。というところで「家族」について読者にもかんがえさせられるなと感じました。
タイトルにもあるように、家族では「おはよう」や「おやすみ」は当たり前のことです。私はそう思っています。でも当たり前じゃないというのをこの漫画では感じさせられました。
自分が家族を持ったとき、家族らしいことができるのか、そもそも家族とは何なのか、普通の家庭になれるのか、その普通とは何なのか。など、普通や一般を考えてしまうが、世間で言う「普通」は存在しないことや「家族」と決めつけて縛られるような、家族はそんな重たいものではない、家族になりたいから家族なんだと感じさせられました。

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