様々な意味で非ディズニー的
ディズニーアニメ映画第33番目の作品。
まず、ヒロインの描き方がこれまでとは全く違う。
ポカホンタスは16世紀に実在したネイティブアメリカンの女性がモデルとなっており、
今までのしおらしく王子様を待っているヒロインとは異なり、自分の未来を自ら切り開く向上心あふれる女性として描かれている。
容姿も描き方もこれまでのヒロインにありがちな小顔でお目めぱちくりの女子ではなく、
顔の骨格も野山で育った影響からかえらが張りしっかりしいて、目も比較的小さいタイプでどちらかと言えば我々アジアンに近い風貌だ。
(あくまで欧米人が考えるイメージであり、差別的と言ってしまえばはそうなのだが…)
筆者の初見は学校の授業の一環として見ることになった。
当初は今までのディズニーアニメとは全く違う絵柄のせいか、あまり興味はそそられなかった。
だが、物語が進んでいくうちにそんなことも忘れ次第にのめりこみ、虜になった。
まずは歌。代表的なものは「カラーオブザウィンド」。
人間側の物差しで全てを測るな、あなた達は自然のことを何も知らない…とまあざっくりした説明だが、
メロディも流れるように、かつ相手を説き伏せるようにやさしく歌い上げる。すばらしい。
そして、一番非ディズニー的な所は終わりがハッピーエンドではないという事。
それまでのディズニー作品の最後はヒーロー&ヒロインが必ず結ばれるハッピーエンドになっていたのに対し、
こちらは二人の思いは通じ合っているがそれぞれの道を突き進む、別れのエンディングとなっている。
意外な結末に涙した人も大勢いるだろう。
このようにポカホンタスはこれまでのディズニー映画の中で異例と言われるディズニー的な要素を一掃して打ち立てた初めての作品なのだ。
ありきたりな「ディズニーハッピーエンド」に見飽きてしまった人は是非一度鑑賞してみてはいかがだろうか。