私のカエル様

私のカエル様

『私のカエル様』(わたしのカエルさま)は、川島雄輝による漫画。1997年に『週刊少年ジャンプ』で連載された作品で、全2巻のコミックスが発売されている。ハイドと呼ばれる狂暴なロボットに破壊された終末世界の東京を舞台に、スクラップ置き場で人間に拾われ修理してもらった、ドジで感情豊かなロボット「カエル」が、自分を助けてくれた人間への恩返しのため奮闘する姿が描かれる。

私のカエル様のレビュー・評価・感想

私のカエル様
8

根強いファンの生まれる隠れた名作「私のカエル様」

この作品は、「私のカエル様」というかわいらしく、なんだかやさしい生活系の漫画のような印象を受ける作品の題名ですが、その実座頭市のように苦境にたたされ、一発逆転につるぎを振るう快活なロボット少年漫画です。
「ハイド」とよばれるさまざまな個体の存在するおそるべきロボットたちが反旗をひるがえし、なんの罪もない人々の家々を破壊しつくし、人間を攻撃し荒廃していくひどい世界。主人公はロボットのカエルという、とてもかわいらしい、ともすればどこかの有名な猫型ロボットを思い出してしまいそうな可愛らしい丸々としたフォルムのかえる型ロボットです。ある日、少年はバラバラになったジャンクの山からパーツを拾い集めていたとき、五体満足でまだ使えそうなロボットを発見します。家に持ち帰れば故障をしているわけではないようで、まだ動きます。しかし、掃除をまかせればバケツをひっくりかえし、手伝いをたのめば物をこわすどんくさいロボットでした。頭をかかえる穏やかな日々にもハイドの魔の手が忍び寄りました。こわれる町、逃げ惑う人々、カエルは剣を手に取り人格が変わったかのように戦場に躍り出て、一騎当千の立ち回りをこなし全てのハイドを打ちのめします。カエルって一体?今後の展開は?打ち切りになり中途半端な作品になったものの、いまだに二次創作がつくられる一部に根強い人気作品です。