阿・吽

阿・吽

『阿吽』とは、おかざき真里による日本の漫画。日本仏教の要である、比叡山延暦寺の開祖である最澄と、弘法大師の名で日本人なら誰もが聞いたことがある、高野山を開山した空海。平安時代を舞台に、最澄と空海という2人の著名な僧侶の姿を描いた人間ドラマである。宿命のライバルである2人を比較することで、それぞれの人間像や生きざまが浮き彫りになっていく。小学館の青年漫画雑誌『月刊ビッグコミックスピリッツ』にて、2014年5月号から2021年5月号まで連載された。2020年の第23回文化庁メディア芸術祭では審査委員会推薦作品に選出されている。

阿・吽のレビュー・評価・感想

阿・吽
10

読んでよかった作品

平安時代の空海と最澄とその時代周辺を描いた漫画で、確実に読むべきです。「平安時代」「空海」「最澄」と言われても、なんとなく日本史であったなーくらいにしか思ってなかったのですが、読んだきっかけは表紙の絵でした。単純に、美しい。そして史実に事実に基づいているけれど、物語、キャラクターの想いなど、しっかりつくりこまれていて、1巻の時点で作品にのめり込みます。雑に表現すると「仏教の話」ですが、時代の人の苦労や、感覚をこの漫画を通じて感じることができます。おすすめは、この漫画を読んで日本史の教科書の平安時代を読み返すことです。漫画に出てきて親近感のあるキャラクターの名前を改めて教科書でみると、感慨深いものがあります。また、現存している土地や寺についても登場人物の目線で描かれると如何に尊い場所であるかが伝わるので聖地巡礼したくなります。
さらに読んでよかったと思えるポイントは、普段何気なく過ごしている中に、仏教にまつわる言葉や習慣、考え方が染み付いているので、読んでいて「ハッ」とすることが多々ありました。
名言が多いです。史実に事実に基づいた説得力もあります。単純な物語の面白さもありますが、勉強になったり、心にくるものがあったり、何度も読みたくなる、読んでよかった作品です。