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野田エキスにかかるとその人の本質が見えるのです。
女性向け漫画雑誌で2008年から2016年までの約8年間という長期連載していた柘植文作品、それが『野田ともうします。』です。女性向け漫画雑誌に掲載されながらも、決して恋愛漫画ではありません。しかし、これが私にはドンピシャでした。
主人公の野田さんは見た目は地味な女の子。
全く本命ではないけれど、諸事情で入学することになった東京平成大学(所在地は埼玉)に通う女子大学生です。
故郷群馬を愛し、本を愛す野田さんは手影絵サークルの先輩や同級生、バイト先の同僚たちに囲まれ日々を過ごしています。
核たる自分(野田ワールド)はしっかり持ち、頑固な一面も持ちますが、誰に対しても対等に接する彼女の姿には学ぶべきところがたくさんあります。
彼女の周りには、そんな野田さんのことが大好きな人達が集まります。しかし、べたべたに仲良くするわけではなく、ゆる~く彼女を見守りながら、各々の人生を生きているのです。
全7巻ありますが、何度も何度も読み返したくなる素敵な作品です。
往年の名作ドラマ『やっぱり猫が好き』や日常漫画『あたしンち』が好きな人はハマる可能性大。
良い意味で、感情を左右されるような漫画ではないので、いつでも読める貴重な漫画という意味でもおすすめです。