のりりん

のりりんのレビュー・評価・感想

のりりん
8

大人の趣味の楽しさを感じられる漫画

「のりりん」は簡単に言えば、「自転車嫌いが自転車に魅せられる漫画」だ。

主人公のノリはとある理由から自転車を嫌っている。しかし、運転免許取り消しによって通勤にロードバイクを使うことに。
そこからどんどんと自転車にのめり込んでいく…というストーリー。

「のりりん」は大人の漫画だ。
インターハイには出場しないし、何かの大会で優勝を目指している訳でもない。

毎日通勤でロードバイクに乗り、休日には近くの峠を走ったり、レースに出たり。
そこにあるのは圧倒的充足感で、1位になる喜びや競争心は存在しない。

大人が趣味を始めても、その趣味に関係のある漫画の大半は高校生が主役の物語。
そして1位を目指していて、誰かと競っている。
そんな経験はないだろうか。
「それも嫌いじゃないけど、もっとゆったりしたいんだよ。」という人にはこの漫画をオススメしたい。

ただの日常系というわけでもなく、主人公の「ノリ」がだんだんとロードバイクにハマっていく姿は見ていて楽しいし、「社会人の趣味」についても考えさせられる。
そして、自身もロードバイクに興味が出てくる。
本当に楽しんでいる姿は他人にも影響を与えるものだ。

ただ、作者が「ロードバイクの教則本」をコンセプトに描いたと言及しているように、ロードバイクに興味のない人はあまり読み進められないかもしれない。
また、ニッチな話や作者の主観が大胆に切り込まれている部分もあるので、好き嫌いは分かれるかもしれない。
しかし、「ロードバイクに興味がある」、「乗って見たいが踏ん切りがつかない」、「社会人になって新しい運動系の趣味を始めたい」と思っている人は是非読んで欲しい。

主人公は作中で「楽しい」とは1回しか言っていない。
だが、自転車嫌いだった彼にそこまで言わせる位の楽しさがこの漫画に詰まっている。

のりりん
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ロードバイクの購入を迷っているならおすすめ

著者:鬼頭莫宏 全11巻。2015年に完結している。
ロードバイクに興味があって購入を迷っているならおすすめです。私がロードバイクを購入するきっかけの一つになりました。
ロードバイクの購入の際の参考になる話から、実際にロードバイクに乗って通勤、サイクリングやロードレースへの出場などロードバイクを購入したならしたいと思うことを一通り物語の中でしているので、ロードバイク購入前に読んでみると購入後をイメージしやすいのではないかと思います。
また、ロードバイクあるあるのような話も豊富にあるので、すでにロードバイクに乗っている人も楽しく読めると思います。

ロードバイクの漫画というとレース物の印象が強いですが、この漫画は普段のロードバイクの楽しさを描写しているシーンが多いので、購入を迷っているならぜひ読んでみてもらいたいです。
物語自体は、著者の過去作を知っていると購入をためらう人もいるかもしれませんが、この漫画はシリアスやグロシーンはなく著者の自転車好きが全面に出ている作品なので安心して読めると思います。完結済みで全11巻と購入しやすいと思うのでロードバイクに興味のある人や好きな人はぜひ読んでもらいたい作品です。