ザ・グリード

ザ・グリードのレビュー・評価・感想

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ザ・グリード
10

不屈の海洋モンスターパニックの傑作!

巨大な豪華客船を舞台に、船を乗っ取った『ナニカ』との決死の攻防を描くスティーブン・ソマーズ監督の出世作にして海洋モンスターパニックの大傑作が『ザ・グリード』だ。後に『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』で大ブレイクする監督だが、個人的には本作こそが彼のマスター・ピースだと思っている。
秀逸なモンスターのデザインもさることながら、今見ても色褪せないCG技術も見どころだ。主人公の密輸船船長や相棒の整備士、曲者ぞろいの傭兵たちなど、イチイチキャラが立っているのは後のソマーズ作品にも大いに反映されている。そして個人的に見逃せないのは本作のために産み出されたオリジナルの中国製ガトリング・ガンだ。基本装備のように全員で撃ちまくるのだが、デザイン・音・重量感ともにとてもカッコイイ。レプリカがあるなら是非とも手元に置いておきたいくらいだ。
印象的なシーンとしてはモンスターに飲み込まれた傭兵の一人が『未消化』のまま吐き出されて、半分溶けながら絶叫して息絶えるという衝撃的なのがある。TV放送版ではことごとくカットされているので、残念な気持ちになった方も決して少なくはないだろう。洒落の効いたオチといいまとめも上手く、完璧に近い娯楽映画である。ちなみに吹替版もオススメ。大塚芳忠、島田敏など間違いない布陣で、役者の地声以上にハマっているのだ。