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死について本気出して考えてみない?
200年前の死について考えたことはありますか?200年前、死は今よりももっと苦しくつらいものであった事の実録風の映画です。
ブルボン王朝の太陽王ルイ14世が糖尿病を発病し死んでゆくまでを王の寝室から映した作品で、何とも画面がとっても豪華、なのに迫ってくるのは死の影ばかり。
まずこの時代、糖尿病は治らない病気だったようで、さまざまな医者が呼ばれるも手をこまねいていて、そのうちに魔術師まで呼ばれてしまうのですが、魔術師が職業って現代人の感覚からしたら、マジか、ってなりません?私はなりました。それもマジシャンのほうじゃなくて、魔術を以って病気を治すタイプの魔術師が実際の職業として存在したことにカルチャーショック的なものを感じました。そりゃあ、カリオストロ伯爵もラスプーチンも実在しちゃうわな。
話を戻しますが、200年前の糖尿病は本当に信じられないくらいつらい病気だったようで、王様も苦しいままかっこ悪くずるずる生きることが息が詰まりそうなほど綿密に描写されていきます。
本当に今と200年前では「死」や「病気」そのものの概念がずいぶんと違ったのだなと、わりと何でも治せるようになってくれたことに感謝するしかないよなと思うしかない作品です。
自殺とか考えてしまいがちな人におすすめしたい作品です。