田中義人

田中義人

田中 義人(たなか よしと)とは、日本のギタリスト、音楽プロデューサー。北海道札幌市出身。1973年9月2日生まれ。大学を中退した後はヤマハ音楽教室でギター講師をしていたが、1997年11月にプロを目指し上京。1999年、「Monday満ちる」のバンドへ参加し、birdのツアーギタリストを務め始める。「TOO-HIGH」「C.C.KING」「URBAN GROOVE-FITTERS」「Flick&Slide」「NU/NC(ヌンク)」「ファンクザウルス」など多数のバンドに参加している。

田中義人のレビュー・評価・感想

田中義人
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カレー大好きの天才ギタリスト、田中義人とは?

初めて聴く音楽の中に、あぁこれはきっとあの人が作った、あるいは参加した楽曲だと思って検索をかける。本当にあの人が作ったんだ!とわかり、ちょっとした感動を覚える。そんなことってないだろうか?
田中義人さんの楽曲には、そうしたリスナーを楽しませるスパイスがふんだんに散りばめられている。もちろん全く聴いたことのない人にも田中義人さんの音楽に、ちょっとだけ耳をすませてみてほしい。
そしてスパイスのないカレーについてもちょっとだけイメージしてみてほしい。
彼のルーツについても考えてみよう。田中義人さんはいわゆるロック系のギタリストではない。ロック、ジャズ、ファンク、ソウル、エレクトロにヒップホップなどあらゆるジャンルをルーツに持ったギタリストだ。ジミ・ヘンドリクスのようにハードなディストーションを弾けば、時にはワウペダルを駆使して、ファンキーなカッティングを弾いてみせる。ジャズミュージシャンとの共演も数多く、プレイヤーとしてのマルチな才能を感じさせる。
過去の音楽が築いてきた聴き応えのあるおいしいフレーズをサンプリングし、彼なり昇華されたとき、それは間違いなくオリジナリティ溢れるおいしいフレーズになる。それはギタリストであると同時に、音楽プロデューサーでもある彼の仕事に遺憾無く発揮されている。
そんな彼の趣味、もとよりライフワークと言っても過言ではないのが、カレー(カリー)作りだ。Instagram「Spicedub」というアカウントで日々、自作カレーを挙げている。カレーをこよなく愛している。作ることも食べることも、スパイスを使うことがどれほど大切かを躊躇なく語ってみせる。
彼にとって最も重要な音楽とスパイスとの関係は、無作為に作るものではなく、立体的に楽しみながら作るものである。音楽に散りばめられたスパイスが彼のギターであり、カレーにとってのスパイスなのだ。そのおいしさをこれから田中義人さんを聴き始めるリスナーにも是非体感してほしい。