倉橋ヨエコ

倉橋ヨエコ

倉橋ヨエコ(くらはし ヨエコ)とは、愛知県出身のシンガーソングライター。1976年〈昭和51年〉9月20日生まれ。2000年にミニアルバム『礼』でインディーズ・デビューし、2005年にアルバム『ただいま』でメジャー・デビュー。独特の歌声と「ジャズ歌謡」サウンドが特徴である。その音楽性から「シャバダ歌謡」とも呼ばれており、己の心に潜む暗部や悲しみ、無力感、厭世観を表現した歌詞を歌う。2008年7月のライブツアーを最後に音楽活動を一旦終了していたが、2023年からは芸名を「ヨエコ」に改め活動を再開した。

倉橋ヨエコのレビュー・評価・感想

倉橋ヨエコ
7

鬼才 倉橋ヨエコ

倉橋ヨエコは3歳の頃からピアノをはじめ武蔵野音楽大学出身の、独特の歌声を持つ歌手だ。1度聴いたらあなたは一生忘れることは無い歌声を彼女は持っている。しかし、好き嫌いは大きく分かれる声の持ち主であることは間違いない。
作る楽曲の多くは、もう元には戻せない物事についての悲哀を歌ったものが多い。それは別れてしまった恋人に対する歌であったり、もう2度と会えない誰かについてうたう歌である。なかにはあっけらかんとした内容の楽曲もあるが、そこにも人生のほろ苦い経験を思い起こさせる。ただ音楽に対する情熱は深く感じられる。表情がまるで見えてくるような歌声、ピアノの技巧すべてに音楽と人間への愛がある。「楯」という楽曲では誰かと過ごした日常を、戻れない時間とともに悔いるように歌う。「終点」では、現在好いている人のことを終点、つまり最後に愛する人なのでしょうか?と問いかけるように歌う。彼女は廃業という形で音楽活動を行っていないが、1度聴けば絶対に忘れられない歌声と熱い感情を持った力強いピアノの音。それらはきっと聴く人の心を深くえぐることとなるだろう。2000年から2008年の楽曲を集約したコンプリートベストがディスク2枚組で発売されているのでぜひ聴いてみてほしい。ただ好き嫌いは、はっきりと分かれ1度はまると中毒になること間違いなしです。